第14話 喫茶店

 レトロという言葉しか浮かばない喫茶店に。この時間だから出勤前に軽くモーニングって感じの人が多い。


 喫茶店なんていつ依頼だろうか?入らないよ、最近は。いいもんだね、こういう雰囲気も。


※カランコロン〜※


※【いらっしゃいませ〜】※


【あっ!!…裕二…】


美咲、気まずい…


【よう…あのさ、ユキさんに言われて、ここに来てって】


【私も…とりあえず座っていい?】


【もちろん。モーニング頼もうか?】


【うん。ここの有名らしいからね】


おっと、いいぞ!!いいぞ。仲直りの雰囲気。


【すみません、モーニング2つお願いします】


※【かしこまりました。ブレンドコーヒーでよろしいでしょうか?】※


【美咲、俺はブレンドにするけど、どうする?】


【私もブレンドで】


【じゃ、ブレンドでお願いします】


※【かしこまりました】※



……………………………………………………………



【ユキさんに言われてきたの?】


【あっ…えっと…いや、その…花火大会🎆の予約で偶然あって…もうバレバレかな…】


【解ってる】


【そうだったね…美咲の能力のこと】


【別にこんなの能力使わなくても読めるよ、裕二のことだもん】


 それって俺のことなら解るってこと?彼女だからってことだよね?


※【お待たせいたしました】※


【おおっ、パンケーキじゃん!!ホイップバターも美味しそう!!】


【サラダ、ウインナーもついててこのボリューム凄くない?】


【美咲、多かったら俺が貰うけど?】


【食べれる。と、いうかあげない!!】


喧嘩していたよな?俺達。何も無かったように。



※モグモグ…モグモグ…美味い!!※



……………………………………………………………



【ふー、食べた〜】


【案外食べれるもんだね。そういえばこの辺ふっくらしてきたかな?美咲〜】


美咲のほっぺたをつまんで、


※ムニュ…※


【裕二〜!!!気にしてるとこを〜そういう裕二だってこの辺にお肉がついてきてるじゃん】


※ギュー※ いてて、脇腹痛いって!!



※ガッシャーン!!※ あっ!!



割っちゃった…



※【お客様、お怪我はないでしょうか?】※


【すみません、大丈夫です。ごめんなさい…】


※【こういうドジなお客様たまに居ますので、お気になさらずに】※



ドジなって?言われた?なかなか厳しい店員だな〜



※【ブレンド入れ直しますね】※



【裕二、さっきの店員さ、ドジッって言ってた?】


【マスクしてるからよく解らなかったけど、可愛いのにきついよね?】


【確かに可愛いけど…裕二って目ざといね!!】


あっ、せっかく仲直りしてたのに、どじったな…



※コツン!!※



【えっ?あっ、何で私?叩かれるんですか?】


 マスクしてても解る可愛さ。この店員は何で美咲のこと?コーヒーカップ割っちゃったからかな?



【お待たせしました〜ブレンドで〜す】



このポーズ、セリフって!!この人しかいない。


【あっ!!】

【ユキさん!!】


仕草で解った。ユキさんじゃん!!何でここで?


【仲直りしたんだから、美咲、ヤキモチは駄目!!】


美咲はびっくりして、


【ユキさん、どうして?】


【ここ知り合いのお店だから、無理言って変装させてもらったの!!どう?これ似合うでしょ?】


 そうだったのか。その制服、凄く凄く似合います!!ドキドキ💗


【ユキさん、わざわざ俺達の仲直りのために】


【そうしないと二人は無人島ツアー来てくれないと思ったからね、ね、裕二くん、これ似合うかな?】


ドキドキ…ドキドキ…平常心、平常心。


【普通に…着こなせていますね】


美咲はニヤリとして、


【おもいっきし可愛いとか言ってたくせに〜】


【なっ、お、お、お前…それ…そうじゃなくて…】


ユキさんもニヤリ。


【裕二くん、ありがとうね〜そうか可愛いって思われていたか〜嬉しい!!若い男の子に言われると余計に嬉しい〜裕二〜大好き〜テヘッ😜】


※ギュー!!※ 


 おおっ、ユキさんに。こんな貴重なこと滅多に無いから嬉しいけど…えーと、喜んでいいのかな?


ゾクっ!!寒気がする。なんだこの殺気は…


美咲か…間違いないな。


【裕二〜今度はユキさんに!!ユキさんも調子にのらないで!!】


違うって、もう。せっかく仲直り中なのに。

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