第6話 パエリア

【美咲、あのさ、はるとってインストラクターのことなんだけどさ】


美咲はキョトンとして、


【うん、それが?】


【ああいうの好みかな〜って】


【ギャハハ、それでさっきからその態度】


【笑うことないだろ。どーせ、俺なんか】


【あ〜ヤキモチだ!。嬉しい〜♥安心して、裕二のほうがカッコイイ、彼氏でしょ、自信持って!】


お世辞なのは解ってる。でも…


【美咲、俺って情けないな…】


【そんなことない…あっ、ちょっと待って!!】


美咲はインストラクターのほうに走り出した。


【はるとさん、ゆきさん、キッチンでパニクると思う。私達は操縦出来るから先に帰ってあげて】


【美咲ちゃん?ゆきさんがパニクる?何のこと?】


【早く。後で解るから!!急いで】


【解った。これ置いておく。何かあったら知らせて。波荒いから気を付けて。ごめん】


何が起きてるんだ?


 美咲が何か伝えたようだけど、インストラクター帰りださせたぞ。


帰したってほうが正しいのかな。なんでだろー?


【裕二、そろそろ帰ろう】


【何かあったの?】


【んん、何でも無いんだけどね。ゆきさんが苦手なの知ってるから】


もう、何も解らん。美咲って説明下手じゃないか?


何かこういうのあるんだよな〜美咲って…


マリンジェットに乗り込む美咲、可愛すぎる!


やっぱ俺なんかとは釣り合わないな、何で俺なの?


何かギクシャクしちゃうな。


【裕二、行くよって。先導してよ。浮標の見方忘れたから】


【ああ…じゃ帰るか】


 あまり無人島楽しめなかったけど、美咲が凄く喜んでいたからいいや。



……………………………………………………………



【戻りました〜ジェットありがとうございました】


向こうからゆきさんが飛んてきた。


【美咲ちゃーん、ありがとう!!】


【苦手ですもんね〜】


【よく解ったね。はるとくんが来てくれなかったらと思うと…ぞーとする。あー、思い出したくない。あ、お礼に夕飯食べってて。彼氏さんも】


【ラッキー、で、ゆきさんの料理…は…】


【美咲ちゃん、それ言う?大丈夫。私じゃないから。料理は】


【じゃ、いただきまーす!!】


えっ、下手なの?ゆきさんって?見た目と違うんだ~



……………………………………………………………



【あ〜美味しかった〜】


美咲、そうだよな!!!!!何?この味わいは!!モグモグ…


【このパエリア…美味すぎ!!】


ユキさんが俺を見て、微笑んで、


【彼氏さんの食べっぷり、気持ちいいね】


【美味しすぎて、こんなに美味しいのはじめて】


 ユキさんが作ってないとすると?あのインストラクター?そんな訳ないか。じゃ?誰?


美咲が立ち上がり、


【ユキさん、ピッチャーもらっていい?】


【ピッチャー?いいけど、辛い?】


【ううん。ちょっと水がたくさんほしいから】


美味い!!水は必要ないって。辛い料理じゃないよ。


【るい〜美咲ちゃんの彼氏さん、凄い食べっぷり。もう一皿お願い】


モグモグ…モグモグ…お願いしまーす。


これは、夕飯全て無料って訳にはいかないな。


【すみません、ユキさん、俺は羽村裕二って…】


※ゴブッ!!※ 


ヤバ!!!一気に食べすぎた。詰まった〜〜〜


【あっ、裕二!!】


※バン!!※ 


美咲がフルパワーで背中を叩き、何とか…


【………ふ〜、助かった〜】


※ゴクゴク…※


【あ、美咲がピッチャーって、そういうことね。裕二くん、大丈夫?】


ユキさん、名前覚えてくれたんだ。


【裕二、可愛いけどね。そういうとこも】


美咲、俺のこと子供扱いじゃん…


























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