第5話 ヤキモチ

【ここだよ。凄くない!?こんなに広い海岸線なんて、ここにきて良かったね、ね〜】


 大はしゃぎの美咲。それにしても素晴らしいロケーション。


【いらっしゃい!!美咲ちゃん】


【ユキさん、お久しぶりです】


【あれ〜彼氏?美咲ちゃん相変わらずやるじゃん】


 相変わらず?前に彼氏と来てるのか?免許無かったと思うからたぶん普通にデート。


それって知りたく無かったな。


それにしてもユキさん?って人、凄くきれいだ。


大人の女性って感じ。


【彼氏さんは?今日はジェットレンタルかな?】


【はい。美咲に言われてここに】


【正解!!無人島ツアー付き。こんなのめったにないからね】


無人島ツアー。確かに楽しみだ。


【ユキさん、インストラクターさんは?】


【はるとくん、お願い。お二人さん】


何かちょっとイケメンが来たぞ。


しかもインストラクターって。


【お二人さんだね。彼氏彼女か。いいね〜青春】


【よろしくお願いしまーす。美咲です】


何だよ、美咲…


【よろしくね。そちらの彼氏さんも免許あるね?】


【俺が美咲誘って免許取ったんですけどね】


【そうか。じゃ慣れてないのか。ちょっと波荒いから遠回りになるけどついてきて】


何か上から目線…ムカつくムカつく!!



……………………………………………………………



【じゃ、出発するよ。ライフジャケット大丈夫かな?彼女さんちょっと大きいかな?ちゃんと着けないと危ないな】


触れるな、美咲に。何かムカつくムカつく!!


【あの、俺がつけ直します!!】


彼女だぞ。俺の。何だよこいつは!!


【裕二、何怒ってるの?】


【なんでもない!!ちょっと確認させて】


【変なの…】


ムカつくんだよ。さっきから。


 解ってるよ、インストラクターだもんな。俺よりずっと上手いよな。俺なんかよりずっと…


解ってるけどさ…


【おっ、彼氏さんやるじゃん。ぴったりフィット】


お世辞かよ…くそっ…何だよその余裕。



……………………………………………………………



【波が荒いな。どうするか】


【インストラクターさん、後数分で波🌊小さくなりますよ。大丈夫です】


【何で解るの?】


【何となく…気象学解らないけど何となくです】


【解った。ちょっと停泊して待とう】



数分後…



【ほんとだ!!凄いな、何で解ったの?】


【偶然ですよ。偶然】


【そういう危機予測も大切な技術の一つだ。お見事だね】


 あー、ムカつくムカつくムカつく!!何、美咲と仲良く楽しそうに。俺が彼氏なんですけどね。


【インストラクターさん、そろそろ行きませんか?早く無人島行きたいです】


【そうだね、じゃ微速で】


解ってるよ!!



……………………………………………………………



【じゃ、自由行動。うさぎ🐇たくさんいるよ】


【わー、可愛い!!ちょっと待って〜】


美咲、走っていったよ…


【彼氏さん、行かないの?】


【さっきから彼氏さんって、俺は裕二です。羽村裕二。二人のお客の名前も覚えられないんですか?】


【ははっ…きっついな。すまない。確かにそうだ】


【…………あいつは浜風美咲。美咲って呼んでほしいそうです】


【裕二くんに、美咲さんか…青春羨ましいよ】


【…こっちのほうが羨ましい…インストラクターでマリンジェット、無人島、最高の人生じゃないですか!!】


【最高ね〜そうだといいんだけどさ…】


【不満なんてないですよね?俺なら…もういいです!!】


駄目だ、話していてもムカつくだけだ。


俺がヤキモチ焼きなだけだよ。情けないな…もう…


【裕二〜うさぎたくさん!!🐇可愛いよ、こっちに来て】

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