第3話 出港〜

緊張する〜免許取り立て、まずは点検と…


 どうせなら海がいい!!と美咲の意見だが。奮発してここで借りることに。バイト代吹っ飛んた。美咲はバイトの鬼なので少し余裕はあるみたいだけど。


【何してんの?早く行くよ】


 美咲、手を抜いただろ。お前みたいな人ほど点検必要だぞ。海の、自然の脅威をなめるな!!


【航路考えろよ。無茶するなよ。スタートは微速だぞ!】


【あー、面倒…サクッと出ようよ〜】


聞いてない…点検適当だよな。


【ちょっと待てって!!俺が見るから】


【大丈夫だってば。少なくとも暫くは何も起きない。心配し過ぎ!!裕二の性格に問題ありってね】


 根拠なく何いってんの…まったく。それでよく合格したよな。


【はい、点検完了。じゃ微速前進、って、聞いてる?おーい】


【先行ってるよーん。追いつけるかな~?】


もう知らん!!自己流過ぎる。前見ろ!前。


何でこうも振り回されるんだ?


 無茶苦茶だぞ、俺の夏休み。せっかくの初マリンジェット…少し可愛いからって…


少し可愛い?いやいやいや…そんな目で見てない!!


とんだ勘違いだ。美咲のこと…


 ライフジャケット、水着…それが可愛く見えるのか?冷静になれ…冷静に!!


 とにかく楽しむことだ。バイト代ほぼ使い果たしたんだからな。



【キャアァァァ!!】



美咲の声だ!!



【どうした!?美咲!!】


【危なかった〜!!】




小型ボート?何でこんなとこに?あっ!!これは!!!




【事故だ!!転覆してる。探せ、乗船者を!!できる限り微速で。後方のジェッキ気を付けて】

 

【解った!!戻って報告するより早いね。探そう】



 マリンジェットの後方はかなりのパワーだ。とにかく探して見つけたらエンジン停止だ。



【裕二!!いた、前、見て】


【確認出来た】


【二人いる、お母さんから助けて】


【他に誰が?】


【子供もいるけど、お母さん怪我してる】


何で解るんだ?俺にはそこまで見えないぞ。


【じゃ、子供は美咲頼む!!】


【解った。裕二はすぐにマリーナに。私も子供助けたらすぐ向かうから】



……………………………………………………………



※【いや〜お疲れです。適切な対応でしたね。お母さん応急処置して病院に運ばれましたが意識ありますよ。無事です】※


【それは良かった。美咲、よく解ったな?怪我見えなかったろ?】


【うん。でも解ったから…子供も良かった〜】


※【お姉ちゃん、お母さんは?】※


【大丈夫だよ。病院で手当してるからね】


※【お子さんはこちらで病院まで送ります。えーと、人命救助に適切な判断、本当はレンタル時間延長してもらいたいと思ったのですが…】※


【いや、そんなこと気にしないでください】


※【ボートの破片回収しなければならないので、原因も解らないので。すみません、周辺一旦航行禁止にしないと…今回は無料とさせていただきます。大変申し訳ございません。よろしいでしょうか?】※


【裕二、無料だって!!】


【うん…それは助かるけど、仕方ないね。後日楽しもう】


※【後日改めてご予約を。最優先でご希望に合わせますので。それではお子さんを病院にお連れいたしますので】※



いずれにせよ、無事で良かったよ。


【美咲、判断…感心したよ】


【そう?褒められてる?】


【普通体力のない子供から救出するもんな】


【お母さん、あの怪我で子供が呼吸出来るように抱えあげていたからね】


【そこまで解ってたの?美咲…何者?】


【いいじゃん、そんなことよりさ、このあとどうする?海でもぼーと眺める?】


 ありだとは思うけど、事故の原因も調査中だから、もうアクティビティ無理だろうな。


【美咲は?それでいい?】


【いいよ、それも好きだから。それにしても暑いね〜汗だくだよ】


【水着でいれば良かったのに】


【裕二は水着見たかったの?ライフジャケットで見れなかったから?】


【………別に………暑いって言ったからさ】


【照れてる♥可愛い!!】


【おっ、お前、馬鹿にしてるだろ!!】











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