22話 NO.1
父さんは俺に危害を加えたらインセクトを潰すと言っていたが、そうでなくても潰しに行く気がする。
おそらく父さんにとってインセクトを壊滅させるのは過去との決別だろう。
過去に何があったのかは知らないが相当因縁が深そうだ。
腕に数字も刻まれていたし。
父さんは元インセクトなのかもな。
◇◇◇
「よっ、久しぶり!」
「なんでお前がここにいる!」
目の前に現れたカーターに男は驚いている。
その腕には1が刻まれていた。
「最近はレベルが落ちてるんじゃないか?
この前お前らがよこした野郎は俺の息子に手も足も出なかったぞ」
「あいつは新入りだ。
まだ弱くて当然なんだ」
男は苦々しそうに言った。
「だからと言ってあの試験を乗り越えたやつが弱いなんてことは無いだろう。
インセクトのレベルが落ちてんだよ」
「お前があんなことしたからだろ!」
男は声を荒らげる。
「さぁ、なんのことかな?」
それに対してカーターはすっとぼける。
男はその場を離れようとするがカーターは腕を掴んで引き留めようとする。
「久しぶりにあったんだ。
思い出話でもしようや」
「お前と話すことなどない!」
ウザ絡みし続けるカーターを振り払おうと男は拳を振り抜くがカーターには当たらない。
「危ないな!
本気で殴ってくんなよ!」
「一応言っとくけど俺にとってお前は敵だぞ。」
喚くカーターに男は言った。
「お前暴力で解決するタイプだな!
平和主義の俺とは正反対だな!」
憎たらしい表情でカーターは言う。
「それはそうとインセクトの本部の場所を教えてくれよ!
潰しに行くからさ」
「教えるわけないだろ!
潰しに行くって宣言されてるのに!」
呑気なカーターにイライラしながら男は言った。
「なら力づくでいくぞ」
そう言いながらカーターは拳に力をこめる。
「お前も結局暴力使うのかよ!
さっきの平和主義のくだりはなんだったんだ?!」
焦りながら男は言った。
「前言撤回!
今から暴力開始!」
そういうとカーターは容赦なく男を攻撃し始める。
その攻撃を男はさばき一旦カーターと距離をとる。
「状況は最悪だがちょうどいい!
俺とお前、どっちが強いのかずっと気になってたんだよ!」
そう言った男の体が変化し始める。
筋肉が膨れ上がり上着が弾け飛んだ。
体は赤くなり血管が稲妻のように浮かび上がっていく。
頭には角が生え身長も伸びている。
ここまで大きくなってもズボンは破けない。
「これが俺の本気だ。
一応言っとくがさっきのは本気でもなんでもないからな!
殺す気でいかせてもらうぞ!」
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