14話 スキルの制御
放課後、エリーに声をかけられた。
「なんでスキル使わなかったの?」
まぁ気になるだろうな。めちゃくちゃ本気に見えるのにスキルを使ってなかったんだから。
「使わなかったんじゃない。使えなかったんだ」
事実今の俺はスキルを制御出来ない。
発動するにしても、超低出力じゃないと無理だ。
それなら魔力強化で十分代用できるし、出力も高い。
「今の俺じゃスキルを制御仕切ることが出来ない。
1度使えば魔力が尽きるまで暴走する。」
ほんとこのスキルどうやって使おう。
超強いのにブロンズスキルの理由がわかった気がする。あまりにも扱いにくすぎる。
父さんの主力スキルもブロンズスキルだが使い勝手が悪くて最初は全く使っていなかったらしい。
「じゃあ私と練習する?
私なら暴走しても多分止めれるよ」
確かに勇者の力なら余裕かもしれない。
「じゃあお願いします」
学園備え付けの闘技場に移動する。
「ほんとにいいんだな」
暴走した時の強さがどれくらいあるのか正直いって分からない。
「いいよ。どこからでも掛かってきて」
言われた瞬間スキルを発動させる。
一気に暴走区域まで出力を上げる。
意識がとぶが、次の瞬間スキルが解除されていた。
「ノア、ダメだよちゃんとスキルを抑え込む感じにしないと」
暴走して次の瞬間解除された?
「エリーが今使った能力はなんなんだ?」
本当にどういうことだ?
「相手をあやつける系の能力かな。ノアの場合は意識が吹き飛んでいたからもっと操りやすかったよ」
便利だな~
勇者の能力はすごい技を力任せに使うイメージがあったけどそんな便利なものなんだな。
「スキル使い放題だな!」
それから暴走しては操られるのが繰り返された。
意識が戻ると川に頭を掴んでいたり、木にぶら下がってたりした。
確実に俺で遊んでいる。
結局スキルを制御することはできなかったが俺は確かな手応えを感じていた。
事実出せる出力は少し上がっている。
これを繰り返せば完全にものにできる気がする。
エリーが帰ったあと、魔法の練習をした。
治癒魔法はちょっとだけ使えるようになってきた。
子供の擦り傷だって治せたんだぞ!
まぁ逆に言えばそれくらいしか治せないわけなんだが。
炎魔法も光魔法も単体ではあんまり使わない。
2つを混ぜ合わせた超光が優秀だからだ。
威力もスピードも兼ね備えている。
つまり最強だ。
だがそんな強力なのをここでぶっぱなすのはやばい。
ということで今日も治癒魔法の練習だ。
最近は枯れた草に治癒魔法をかけて元気にさせることで練習している。
傍から見たらやばいやつだがそんなこと知らん。
その日から夜になるとしゃがんでブツブツ言ってる奴がいると噂になるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます