6話 入学試験 座学
周りには貴族のような人がいっぱいいて場違い感がすごい。
今年の入試はこの国の王子も受けるらしい。
位の高い貴族や王族なら試験の結果がどんなに低くても合格出来る。
庶民には厳しい試験だ。
そんなことを考えていると、肩を叩かれた。
「君の親の爵位はなんだい?」
振り返ると小太りの男の子が話しかけてくる。
「俺の親は貴族じゃない。」
「きっ、貴族じゃないの!」
驚いた顔をして笑いだした。
「僕の親は子爵なんだ。君みたいな庶民とは違うんだ。」
ムカついて殴り飛ばそうとしたが踏みとどまった。
こんな豚の相手をしているのもめんどくさい。無視しよう。
俺が何も言えないと思ったのか満足したような顔をして次の標的を探しに行った。
幸先が悪いな。
最初のテストは座学だ。
その次に体術、その後魔法と言った感じだ。
以外だったのがスキルのテストがないところだ。
スキルは人によって個性があるため採点が難しいからだとか。
だがみんなこれらのテストにスキルは使ってくる。
だから実質スキルのテストはされているも同然らしい。
座学のテストのきついところは10時間という長さであり、途中でトイレに行けば失格だと言うところだ。
毎年必ず漏らす人がいるとかいないとか。
席に着くと誰も話していない。
時計を見るともう試験が始まる5分前だ。
エリーは同じ教室に居ないようだ。
教官の掛け声と共に試験が始まった。
(なんか簡単だな。)
最初の方は余裕だった。
~5時間後~
簡単だと思ったことをもうすでに後悔していた。
(問題多すぎだろ。)
さらに3時間後、試験を諦めてトイレに駆け込むやつらが増えている。
限界を迎え漏らし泣きながら試験を受けている奴もいる。
噂は本当だった。
そういう俺もかなり限界だ。
あと1時間耐えられるか。問題はとき終わった。
あとは尊厳を守ることができるかどうか。
顔を上げると俺を煽ってきた小デブくんが漏らして真っ白になっているのが目に入ってきた。
俺はあんなのになりたくない!
どれだけ時間がたっただろうか。
「はい、ペンを置いてください。」
試験が終わった!
その瞬間俺の体は魔力強化を使っていないのにも関わらず、それを超えるスピードでトイレに突っ込むのだった。
ギリギリ尊厳を守ることができ、スッキリした気分でトイレを出ることが出来た。
明日のテストは体術か。
この学校は受験者用の宿泊施を備えている。
明日も早いしもう寝よう。
そう思い一旦学校をあとにするのだった。
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