未来の君に、さよなら

登場人物紹介（一年生時点）

登場人物紹介

▼神沢悠介〈かんざわゆうすけ〉

　好きなもの：静かな場所、少し古い映画、余りの出ない割り算

　嫌いなもの：人混み、流行に流される人間、割りきれない気持ち

　特技：ふくらはぎを見ただけでどの女子生徒かわかる

　物語の主人公。望む未来は“幸せな日々”。

　小学６年の時に母親が家出をし、それによって狂った父親が放火事件を起こし逮捕されたことで、孤独と絶望の中学時代を過ごし高校入学を迎えた。両親のいない一軒家で一人暮らし。

　斜に構えた性格ではあるが、案外涙もろい一面もある。

　勉強はある程度できるが、それ以外は運動も楽器もまるでだめ。趣味らしい趣味もなければ世の役に立ちそうな特技もない。唯一料理だけは得意だが、そうなってしまった理由は両親の不在なので、あまりこころよく思っていない。実は多くの人に興味を持たれているがそれにまったく気づいていない。脚フェチ。

▼高瀬優里〈たかせゆうり〉

　好きなもの：文房具、バスタイム、犬

　嫌いなもの：自分にそぐわない下品な男、自分以上に上品な女、虫

　特技：自分がどれだけよく出来た人間か延々と人に語れる

　悠介のクラスメイトの優等生。望む未来は“大学進学”。

　悠介が「絶滅危惧種」と表現するほど清楚で品行方正、心も優しい大和撫子美人。実家は地域で９店舗を展開するスーパーマーケットチェーン「タカセヤ」の創業家。典型的なお嬢様で世間知らずな面もあるが、誰よりも強い冒険心を持つ。

　勉強をはじめとしてあらかたなんでもできてしまうが、そのせいで突き抜けることができるものに出会えないというジレンマを抱えている。

　料理だけは救いがないくらい下手だがプライドが高いためそれを決して認めず、腕によりをかけた悪魔的な料理でしばしば悠介たちを恐怖のどん底に陥れる。ラーメンに目がない。

▼柏木晴香〈かしわぎはるか〉

　好きなもの：食べること、寝ること、体を動かすこと

　嫌いなもの：暗いニュース、偉い人の長い話、保健体育以外の授業

　特技：悠介が卑猥なことを考えているとどれだけ離れていてもわかる

　悠介の前の席の女子生徒で、望む未来は“世界一幸せな家庭作り”。

　学園きっての美少女で、健康的なプロポーションに屈託のない笑顔は異性を魅了し、気さくで裏表のない性格は同性からも愛される。ひたすらに前向きで後先のことを考えず突き進む姿勢は長所にも短所にもなり、実際ムードメーカー兼トラブルメーカーである。

　悠介と同じく小学６年の時に両親を失い、それ以来は叔母の経営する鉄板焼き屋で仕事を手伝いながら二人で暮らしている。

▼月島涼〈つきしますず〉

　好きなもの：料理、相撲、洋楽

　嫌いなもの：権威、偽善、幽霊

　特技：その人を象徴する色が見える

　中学時代の悠介のクラスメイトで、彼の命を救った少女。望む未来は“東京の実家のせんべい屋『月島庵』での落ち着いた生活”。

　ショートカットが良く似合う垢抜けた女子高生であるが、過去のある出来事がきっかけで、異性に強い嫌悪感を抱いている。

　何事によらず深く立ち入ることを避け、クールに事態を静観する傾向にあるが、自分の大切にしているものが侵害されそうになると人が変わったように熱くそれに抗戦する。

　東京の親元を離れて市内のマンションで一人暮らし。週末は近所のサウナに行ってリフレッシュ。

▼葉山太陽〈はやまたいよう〉

　好きなもの：自由、ロック、夢

　嫌いなもの：束縛、医者、現実的な話

　特技：オランウータン以上の知性を持つ者なら誰とでも仲良くなれる

　悠介のクラスメイトで親友。望む未来は“ドラマーとしての成功”。

　父は地域最大の総合病院の経営を担う有力者で、長男の太陽を自分の後継者にすべくレールを引いている。中学時代に始めたドラムにのめり込んでしまい、将来はバンドで勝負をしてみたいという思いが芽生えて以来、父と対立が続いている。

　抵抗として高校入試を白紙で出してみるものの父が裏に手を回し難なく合格させてしまったことで、人生の意味を完全に見失ってしまう。

　悠介の唯一の親友で、最大の理解者。“未来の君”のことで悩む悠介に時には温かい、時には厳しいアドバイスを送る。胸フェチ。