第3話 Mission 家に連れ帰る
ロクセットが脱走した時の行動パターンはわかっている。散歩ルートから少し外れた小さい公園や人の家の庭などに忍びこむのがたいていの動きだ…… やばい! 人の家に行かれると見つかってしまう。全速力で走って探した。探して、探して、探し続けること三十分。いたー! 小さな公園にいた。
「良かったあ。早朝だからまだ人がいないよ」
目が合う。ロクセット、いや女の子は僕のシャツを着て、すくっと立ったままこちらを見つめている。少し息が切れているようだ。たっぷり走り回って遊んだんだろう。いつものパターンだ。
「ロクセット~」
果たして、彼女は走ってきた! やった! もうこっちのもんだ。ポケットからグーに
女の子はその僕の手に目が
「無い! 浩介~」
しゃべった! 話せるんだ。しかも人間の言葉で!
「あ、ああごめん。無いんだ。家に行こう。家でごはんをあげるよ」
ここだけ切り取ると、変質者だな。
「行く!」
僕は彼女を車まで連れていき、車に乗せて家に帰った。ばーちゃんはちょうど朝ごはんを作っていた。
「ただいまあ」
いつものことだが、特に返事は無い。食事の
さて、部屋で。
「どうしよう」
まず、服装をなんとかしなければ。いきなりの
「ばーちゃん。食事の準備中、済まないんだけど、食事一人分増やしてくれる? あと女性用の下着買ってきてくんない? ショーツって言うの? あとシャツと」
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