幼馴染side


私は幼馴染の親友の事が好きだ。


いつから好きになったのかは分からない。けど、気づいた時にはもう大好きだった。


私達は誕生日が近いこともあって初めてのお酒を一緒に飲んだ。お酒自体はとっても美味しかったし、楽しかったんだけど、あわよくば親友が酔って甘えてきたり〜なんてご都合展開なんて無く……


でもせっかくお酒の席なんだから、何かしたい。私が酔えればまた違ったのかもしれないけど、私の家族はみんな揃って酒豪で……私も例に漏れずお酒にめっぽう強かった。


全く酔う気配がない私は策を練った。

……そうだ、酔ったフリをしよう。酔う演技をして、抱きついたりしてしまおう。酔ってたって言えば何とかなるし、好きバレもしないはずだ……


にしても、こんなことを思いつくなんて我ながら最悪である。でも、好きってバレて、嫌われる位なら隠し通す。でも、たまには甘えないとキツイから、お酒の力を借りる。


初めはベタベタとくっついたりするだけだったんだけど……本当に無抵抗だから、思わずキスマークを付けてしまった…!なにやってんの私!やり過ぎだよ!


でも、親友は笑って流していた。バレることがなかったと言う安心と、全く意識されてないことの悲しさで感情がぐちゃぐちゃになる。無意識に親友に頭をグリグリと押し付けていたみたい……そして何故か頭をなでなでされる。


いや、嬉しいよ?めっちゃ嬉しい。その優しさ最高です。できることなら24時間撫でて欲しい。まあ、そんな感じで初飲みは幕を閉じた。




そして現在。すっかり親友の家で飲むのが当たり前となってて、今日も飲みに来ている。今日は白ワインを飲むみたい。


今日はどうやって甘えようかと考えていると不穏な発言が聞こえてくる。


「はぁぁぁぁー恋人欲しぃー。いい感じの彼氏作りたいわ〜」


…は?彼氏?そんなの作らせるわけ無いじゃん。…じゃ無くて、まずいなぁ。ついに恋人に、彼氏という存在に興味を持ったのか。恋愛に興味を持ってくれるのは私としては好都合だけど、彼氏を作りたいのであればそれは一番良くない展開だ。


「ん〜?彼氏ほしーのー?だめだよぉー!私というおんながいるでしょぉ!」


とにかくなんでもいいから否定をしたくて、こんな言葉を言ってしまった。

うぅ……私と言う女がいる…なんておこがましい事を言ってしまった…恥ずかしい。


にしても、さすがに酔っているからと言ってここまでの自己主張をしてしまうと、私の本心がバレかねない。あんまり考えてなかったけどリスキーな行動だった…。


だとしても、やっぱり彼氏を作るなんて事は容認できないから……嫉妬でどうにかなりそうな心を押さえつけて、何とか理性を保つために親友の首元に顔を近づける。そして、慣れた手つき…?口つき?知らんけど、キスマを付けた。


「んへへ〜彼氏できないようにしてやふ!

んっ、あはっ!ついたぁ!」


理性ギリギリだからか、何時もより濃くつけてしまった。でも、いいか。このキスマをみんなに見られてしまえ。そうすれば虫共は親友に近づいたりしなくなるはず。


「もー!こんなに濃くつけて…私の未来の彼氏に見られたらどうするの?」

「その未来の彼氏にとられにゃいようにするためなのー!」


親友の未来に男なんて必要ない。居るのは私だけでいいんだ。1回キスマを付けるだけでは抑えきれずに合計3回もキスをしてしまった。そのまま親友にもたれ掛かる。我ながら大胆。顔が赤くなるのがわかる。でもこれはお酒のせいなのだ。本来お酒なんかで顔が赤くなることは無いんだけどね。



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今日は高校時代からずっと続いている友人達と飲みに来ている。今回は親友が参加しない様なので私が参加する。友人たちはみんな私がお酒に強いことを知っているから、親友とみんなで一緒に飲んだら今までのことがバレちゃう。


「にしてもあんた本当にお酒強いよね。今飲んでるやつ度数高い奴でしょ?よくそんな平然と飲めるね」

「ん〜、まあ、血筋かな」

「血筋すごー」


みんなで思い思いの話をしていく。そんな中、話は恋愛について……つまり、恋バナが始まった。


「あんたは好きな人とかいるの?」

「え?まあ、居るけど…」

「えぇー!マジで?わかんなかったわぁ、だれだれ?ウチらの知ってる人?」

「…そうだね。……私的には結構アピってるけど好きバレするのが怖くてさ。あんまりベタベタしない様にしてる。でもさ、好きな人とは密着してたいじゃん?」

「それな、まじ分かる!」

「だから、少し、卑怯な手段かもしれないけど、それを使ってベタベタしてる」


あー、結構話しちゃったなぁ。まあ、バレそうなところは話してないし、人物までは割れないでしょ。


「どんな手を使ってもその人に触れたくなる……くぅぅ!恋してるねぇ!」

「応援してる!もし成功したら教えてね!」


みんないい人だ。……でもね、私が好きなのは女性。みんなが考えてるような感じじゃないんだよ、ごめんね。


そうして、飲み会は楽しく続いた。


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最近、親友と会っていないためか、禁断症状が出そうである。一刻も早く親友ニウムを摂取しないと。


でも、最後に行った飲みで結構羽目を外したから、ちょっと恥ずかしいのと、気まずい。

でも、いや、ぅーーーーーん。どうしよ!


(着信音)


!?……え?なになに!?親友から電話来た…とりあえず出よ。


『……あ、ちょっとさ、今から家来ない?ちょっと話したいことがあるからさー、来てくれる?』

「今から?まあ、暇だったし良いよ」

『ありがと〜。待ってるわ』


お呼ばれしたぁ!なんで?もしかして私の心を遠隔で読んだのってレベルのタイミングの良さ!


……でも、話ってなんだろ。


とりあえずサッサと向かっちゃお。

いつもよりも早めに家に着いた私は貰ってる合鍵でドアを開ける。


「やっほー、来たよー?」

「ありがと、さ、ここ座って?」


いつも通りいつも通り。平常心!心頭滅却!


良し、行ける。


「あのさ、いつも、お酒飲んだら酔ってるけどさ……あれ嘘だよね…?」

「……え?そ、そんなこと…無いけど?」

「ほら!絶対うそじゃん!動揺してるじゃん!」


え?え?なんで、バレたの?うそうそうそうそ!ヤダヤダ、嫌われちゃう!でも、こんなことを言ってきたってことはある程度は知られてるよね……


「うぅぅぅぅ……そうだよ…嘘だよ、演技だよ!何!失望しでもしたの!?」

「え?いやそうじゃなくて……なんでそんなことするのかなぁって思って」






「……キスしたいから…………シラフだと恥ずかしいし、好きだってバレるのが怖くてお酒に酔った勢いって体にしてキスしてた……ベタベタしてたのも密着してたかったから……どう?気持ち悪いでしょ?」

「そんな事な」

「わかってる!でもしょうがないじゃん!もう貴方が居なきゃ私は生きていけないの、ハグしたり、キスしたりして、ずっと一緒に居ないと生きてる意味がわかんなくなるの……きもい上に重いとか笑っちゃうよね。でも、もう無理なんだもん……ごめんね?」



色々暴露しちゃって、理性も効かなくなってる。でも、バレたんならやることはひとつだよ。無理やり襲うしかない。これがもし最後になろうと、最後くらいいい思い出ちょうだいよ……


本当は無理やり襲うなんてしたくない。お互い愛し合った上でやしたい。けど、色々とばれてしまっては仕方がない。


「ごめんね……こうするしかないから」


そう言って、私は親友をベットに押し倒した。せめて、あまり怖がらせないように、ゆっくりと、押し倒した。なんか抵抗してきてるけど、もう無理。自制なんて効かない。最低な行為だって理解してるけど、それでも1つになれる喜びのほうが勝ってる。


「ごめんね……頂きます」


そして、私は初めて、親友の唇を奪った。とても、甘美な味わいだった。


夜はまだまだ終わらない。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


朝、日差しと、衣擦れの音で目が覚める。


あぁぁぁぁぁ……やっちゃったなぁ……これでこの関係もおしまい?絶交かな……

やだよぉ……!でも、それだけ酷いことしたもんね……


そんな私の心情を知ってか知らずか、頭を撫でてくる。……なんで優しくするの?


「これから、よろしくね?」


え?これからも?それって、それって!

期待と、喜びと、感動で頭の中が満たされる。

というか、これ告白だよね?……そう思うとなんだか恥ずかしさが込み上げてきて、顔が赤くなっていくのを感じた。


人生、何があるかわかんないもんだね。

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演技派キス魔の百合 暴走天使アリス @mahosama

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