第2話 歪な電話に答えるなよ?
私は教室の後ろで蹲っていた。特に、腹が痛い訳でも無いし恐怖でもない。特に、私は何も感じてない。感じてないからこそ恐怖がある。
プルルルッ、プルルルッ、プルルルッ!
「あっ、いやっ!やめって!うぅあぁ。」
みんな一通りそんな反応だった。そりゃ、そうか。私はというと何故か電話に出ようとしていた。
「何をやってんだ馬鹿者が!」
突如、私の横から飛び蹴りが飛んできた。
「ウグゥ、ひっでぇや。ひっでぇ。」
奴は一体なんなんだ?失礼な奴だな。
「奴は…封印できていなかったかっ!くっそ。結構状況不味いな。とりま、報告書を読め。そしたらもう電話に出ようと思わないわ。」
『______■■■__No.2874 危ない電話 崩壊レベル:通信社会無効化崩壊レベル 著者:ベリトル博士 制作日1994年3月■8日 本物質は基本一定の形を保っていない。人間に存在がバレない様に様々な電話の形に変わる。そして、今までの観察結果により電話以外の形には変わらないことが確認されている。現在はベリトル博士と■■■■博士の責任により現在■■■■により収容されている。もし、現在保管してある施設が破壊、もしくは脱走が起きた場合、本組織が絶対に捕獲し、我が組織で収容する。現在の収容ルールを此処に記す。_____収容ルール:この特異物の収容部屋付近に通話機器を持って行ってはならない、この特異物は通信機器に宛名不明の電話を送られるこの電話に答えると相手は人間ではない何かを見てはいないのに把握できる異質な特異物。今回の特異物Bとされている。特異物Bは電話相手の性格、日頃の生活などを当ててくる。しかし、話している時に低音波をずっと流している。この低音波を聞いていると徐々に気が狂い始める。その気が狂った者を適切に処理しないとその者は特異物Bになる。特異物Bは最初に特異物Aを生み出し、その生み出した物から電話がかかってくるまで何処かに潜んでいる。(と思う…。)収容、というよりかは他人の目がある状態だと特異物Aを生み出さない。これにより特異物Aの破壊が終了すればこの特異物は無力感されると思う。死亡事件などはこの特異物は起こさない為、被害者は失踪と処理される。』
正直、めっちゃ怖かった。こんなのが私たちのいつもの生活にいたの?ほんとに怖い。一体なんなの?理解したいけど、理解したくない…。
「まぁ、こんなもんだ。しかし、電話の音がうるさいな。破壊…いや、できれば保存したいが。うむ…まぁ、此処は多数決でな。決めるとしよう。」
そう言った瞬間からだった。
「破壊」「破壊一択やろこんなん…」「こんなん残しておくとか正気…?」「溶かして武器とかに精錬した方がいいと思う。」
「えぇ…まじかぁ?せっかく君達がこれから敵対するであろう敵がこうも無害に出ているんだぞ…って待て待て!今、こうして熱弁している所だろうが!」
もう、ハンマーを振り下ろしていた。彼はまるで私が電話にでようしていた時みたいに必死に…
「間に合えぇぇぇ!」
もうハンマーと電話が接触するほんの一瞬で電話を乗せた机を蹴り飛ばし、電話をキャッチした。
「馬鹿かお前ぇぇ!人の話を聞け!なぁっ!」
彼はキレながら電話をガムテープでグルグル巻きにした。
「話を聞いてくれてよ。お願いだよぉ。とりま、限界。はよ、液体飲め。傀儡に枯らされたくなきゃな。」
全員分の液体を回収し、全員に強制的に飲ませる。
「まっっっっず!まっっずいよ。まっず。」
阿鼻叫喚の地獄絵図だった。苦い苦いだった。
なんというか、辛いコーヒーを飲んでいる様だった。生魚と一緒に飲んでいる様にね。
「これは体の内臓、細胞に膜を貼るんだ。これにより細胞から水分を引くものを防ぐことができる。これはとても大事な事だ。」
はて、なんのことやらみたいな事だけど、飲んでないととんでもないことになることは分かった。しかしまぁ、吐きたい気分だよ。
「電話に関しては…うーん、どうしようか…よし!外に投げ捨てるぞぉぉ!」
思いっきり、外に向かって投げた。校庭のど真ん中にその電話は置かれた。これが一番大切な処理なのかもしれない。
「ふぅー、さぁてこれからどうしようか。…はて、君達。これから餓死しながら此処で来ない救助を待つか、みんなで自殺するか、もしくはとある組織に入って、闘うか…好きなのを選べ。君達…いや、貴様らに選択肢をやろう。もし、貴様らが闘う意志を見せるのならば…」
彼は左目が丁度隠れる仮面を着ると口調を思いっきり変えてきた。
「そんなの…闘うよ!このまま犬死にするならせめて、抗って死んでやる!」
「…よし、良かろう!貴様らの決意、この裁キヲ見届ケル者が見届けてやろう!」
さあ、抵抗の始まりだ!
____第3話に続く
呪村I 秋風 宗味座 @djpmwt
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