第22話 昔のこと
ピーッ,ピーッ
病室の中に心音図の音が鳴り響く
誰もいない、静かで、寂しい空間に
「…ははっ……じゃねぇか……星君」
「ちょっ……名は……りにも……そうで……」
分からない、誰だろう
一体俺は何を見てるんだろう
何が見たいんだろう
あれ?
俺って……
「………夫……っとかえっ……るから…………お前がもう…………って…なくていいように」
「…………から……の名……は…………レ……どうか…………きで」
嘘つき
帰ってこなかったじゃないか
2人は帰ってこなかったじゃん
いや、帰ってきたか
帰ってきた…………腕と……だけか
「……レア…きて……厄災が……来る」
「ッッッッッッッ!!!!」
俺は病室のベットの上で飛び起きる
ふと横を見るとイマがビックリした様子でこちらを見ていた
「……お前大丈夫か…」
イマは困惑したような顔でこちらに問いかけてくる
「…あぁ、悪いな、ずっと寝「違うそうじゃねぇ」」
俺が誤っているとイマが否定してきた
俺は意味が分からずに唖然とし、イマを見つめていた
「お前気づいてねぇのか、ずっとうなされてたぞ、「兄貴……シエル……」って」
「……ッ、悪い」
「兄貴のことは真相戦争で聞いた、シエルって誰だ……」
「悪い…言えない、」
「そうか、悪いな、嫌なこと思い出させて」
違う、イマは悪くない
俺か、俺が″あの時″2人を見殺しにしたから
「ヴァッ……ヴォエッ」
俺は過去のフラッシュバックでその場で吐いてしまった
イマは早急に袋を持ってきて、医師を呼んできた
俺は少しの安定を強制され、ベットに眠り込んだ
「そうだ、水夏は……水夏はどうなった」
俺は俺を治したあと、δと戦った水夏の現状が気になり、イマに問いかける
イマは微笑みながら「あいつなら数日前に目覚めてユスナとスアと観光に行ってるよ」
俺はホットして、眠りにつこうとした瞬間脳内を何が伝たる
「……なん…だ!?」
『厄災が始まるよ、本当にここに居ていいの?朱雀星君…いいや、カレア君』
俺の脳内に謎の声が聞こえる
厄災ってなんだ……
俺がそんなことを考えていると脳内に何が侵入する
???「おはようカレア…」
「……てめぇ…!!!」
俺の脳内に現れたのは
《神の雷光》
堕天使バラキエル
『唐突で悪いが取引をしよう、カレア』
バラキエルは俺の脳内に入るや否や取引の申請をしてきた
俺はバラキエルの企みが分からず、一応話を聞くことにした
「話を聞いてからだ」
『俺はとある目的があるんだ、その目的は《五神王・麒麟星君》の殺害だ』
麒麟星君の殺害?無理だそんなの
この世界の神には序列がある
最、管、五、魔、天、邪
左になればなるほど権力が強く、さらに強い
麒麟星君は五のトップ、つまり五の中で一番権力が高い、無理だ、殺せない
『今のお前の内心を当ててやろうか?』
『五の頂点に立つ父親を殺せるわけない』
「……!?」
『分かるさカレア、邪の中くらいの俺じゃ麒麟には勝てねぇ、だからカレア、お前の力が必要なんだ』
俺の力が必要?合っても無理だろう、まずバラキエルはなぜ殺したいのかすら分からない
『殺したい理由だろ?お前と一緒さ』
《大事な人を殺された》
『理由なんざそれだけで十分だ』
「……分かった、バラキエル、ひとつ聞きたいことがある」
「厄災……ってなんだ」
『焦るなよ、厄災は俺の力があれば止められる』
そうバラキエルが言うと契約が完了し、俺の意識は肉体へと戻る
そして目を覚ました時既に
厄災は始まっていた
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