第2章:花の都アイブルーム

第13話 花の都・アイブルーム

ブラドザーム出発から9日

私達はようやく花の都・アイブルームに到着した


「すごい!!!辺り一面お花畑だよ!」

私はあまりの絶景に興奮して走り回ろうとする

するとカレアに掴まれる

「ちょっとカレア辞めてくんない!?」

「はいはい良いから冒険者協会行って滞在許可証貰いに行くぞ」

「え、ねぇ!早いって!!!」

そして私たちは冒険者協会へ滞在許可証を受け取りに行ったのだった

「ねぇ〜紗、ブラドザームには冒険者協会なんてなかったよね」

私はカレアに担がれたまま紗に聞く

「ブラドザームが特別なんだよ、あそこは戦争ばっかしてるから冒険者協会なんて置いたら管理大変になるらしくて」

私は「ほーんそうなんだぁ」と返しつつ、そんなこんなで冒険者協会に到着した

「おいカレカス見ろよ、桜が満開だぞ」

「もうそんな時期か…早えぇな」

イマとカレアが話してるうちにスアが手続きを終わらせ、次にイマが手続きしに行った

「こんにちは〜、滞在許可証ですか?」

俺が冒険者協会に入ると受付のお姉さんが俺に聞いてくる

「はい、1ヶ月ほどの滞在許可証を貰えれば」

俺はそう言いながら冒険者バッチと金を受付に置いた

お姉さんは全て確認してから「確認できました、ゆっくり楽しんでくださいね」と言いながら冒険者バッチを俺に返した

「……」

お姉さんは去り際に1つのハンドサインを俺に送った

そのサインは真相戦争時代に敵に作戦がバレないために作られたハンドサイン

意味は「後で待ってる」

俺はお姉さんに見覚えはなく、たまたまかなとに思いながらも一応行くことにした


ギイイイイ

夜中、俺は冒険者協会の扉を密かに開ける

すると冒険者協会のカウンターから物音がする

1度構えるが昼の受付のお姉さんがカウンターから出てきた

「やっぱ来てくれた、覚えてたんだあのハンドサイン」

俺は見知らぬ人に困惑しながらお姉さんに質問をする

「何処かで会ったことあるか?、それと真相戦争時代のハンドサインだぞ、真相戦争で共に戦った仲なら俺は全員の顔と名前を覚えている」

お姉さんは微笑みながら「なんで忘れるかなぁ」と言いながら自身に魔法陣を描き、魔法を解いた

「この姿なら見覚えあるかな?」

そこに立っていたのは俺が真相戦争時代に共に行動し、途中で死去したと思っていた相棒……ユスナ・ドラストスだった

「なんで…お前が…死んだはずじゃ……」

「ねぇイマ、アルセに会ったでしょ?」

「あぁ…会ったよ」

「なんでアルセが生きてたと思う?」

「……分からない」

「理由はね、彼の能力なの、彼は能力を酷使しすぎて1度冥界に行った、もちろん冥界に行く時に同時にあの″攻撃″を食らったからみんな死んだと思ってんだよね〜」

俺は何を言っているのか分からず、更に質問をする

「まて、ならなんでお前は生きてるんだ…?」

その質問にユスナは微笑みながらこう答える

「アルセと同じで死ぬ前に魂だけが冥界に行けたんだよね、そんで次に目が覚めたら冒険者協会の受付のお姉さんになっててさ〜、それから86年、ずっとここでみんなが来るのを待ってたんだよ」

俺は嬉しさのあまり泣きそうになるがグッと涙をこらえ、ユスナに言う

「一旦飯食うの……辞めない?」

「え〜やだ、私今日なんにも食べてないもん」

「食っとけよ……」

そして俺達は夜が開けるまで旅の話などを語り合った


「そういや今更だけど、なんで元の姿でいないんだ?」

「あぁ〜、イメチェンって理由もあるんだけど…最近アイズブルーム周辺に聖光騎士団が居るんだよね」

「聖光騎士団……真相戦争で殺りあった奴らの末裔か?」

「末裔も居るみたいだけど、今回アイズブルームで動いてるのは私たちが直接殺りあった」



「コードネーム・δデルタ




To Be Continued……

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