第5話 コスモスの咲く頃に


「え、なんで…」

「起きてよ!ねぇ!2人ともぉ!」

俺は2人の体を揺するが2人は脈が止まったまま目を覚まさない

どこかに傷を負ってるわけでもない

しかし好都合だ

《状態回復》

状態回復は他人にも使うことが出来る

「起きて!2人とも!」

そしてその刹那、私は2人の意識に深く干渉したのか、信じられない光景を見る




少し遡り水夏を待ってる2人


「水夏おせぇな」

「まぁそりゃぁね、ところでカレア」

紗がカレアに話しかける

「なに?」

「どうやって記憶を持ってきたの?」

神々でも多次元の記憶を共有するのはそう簡単なことでは無い

「ユーラがやってくれた」

「あぁ、私達ユーラを討伐するために生きてると思うんだけど」

「ユーラいわく楽しみたいんだってよ」

「相変わらず…カレア、何かいる」

「分かってる」

紗はカレアと目を合わせる

ッッッッ

俺たちは急に吸い寄せられ謎の空間に飛ばされる

そこはコスモスが咲いている空間だった

「…うそ…だろ…兄貴…兄貴!」

「ダメだカレア!行くな!」

カレアは目の前にいる邪神が失った兄に見えているのだろう

「お前は兄貴の皮を被った邪神…分かってるよ」

「俺を踏みにじりに来たのか…?」

カレアは間一髪で違和感に気づいたのか、腰にある刀を邪神に向ける

『私は何もしに来ていない』

『全ては彼のために』

『時間だ、後はよろしく』


邪神は魔力体を残し、消えた


「カレア!構え…」

その刹那、紗は防御魔法を展開する間もなく、魔力体に吹き飛ばされる

「紗ッ!」

ガキィッ!

俺は魔力体の攻撃を間一髪で受け流す、そして両者が体制を崩し、互いに体制を建て直す

(ここから抜けるには紗が必要不可欠だ。やつの重力魔法でこの空間ごと歪めることが出来れば)

そう考えているのも束の間、魔力体は俺目掛けて攻撃を仕掛けてくる

(スピードはあっちの方が上、パワーも、防御、剣技もそうか、これは魔力体…俺の魔力をコピーして作られた…複製体に邪神の力を流し込んでいるのか)

それに気づいたことで一瞬の隙が現れる

俺は吹き飛ばされ、頭から血を流す

シャー神は未だに起きない

目の前にいる互角以上の相手

それに邪神の力によって強化された化け物

今のあいつが能力を発動すれば俺は為す術なく死ぬ

しかも手負い

どうするべきか

簡単な話、叩きのめすまで


俺はフラフラの状態で立ち上がる

だがそれも隙を産む

魔力体はその瞬間を狙い、攻撃してくる

「そうくるよな、俺だもん」

「いいじゃん、面白くなってきた」

話せるのか、だがもういい

覚悟は決まった


『おい偽物』カレア


『てめぇにこれが防げるのか?』


『これで終いd……』


その瞬間身体の傷、出血、何もかもが治った

俺は全てを察した


「しゃーねぇ、ここはお前に譲ってやるよ」



《Instant death》


「ウッワッァアアッアッガァァァァァ」

魔力体が消え始める

何がなんだかわからない魔法をくらって苦しんでいる間に紗が魔法を発動する

《フォールスペース》


そしてその空間は崩壊する


ピシッピシッパリンッ



「大丈夫か?」

崩壊した空間の狭間で紗と出会った

「あの邪神…何者だったんだ」

「恐らく邪神″クレハ″だろう」

「兄貴に会えたと思ったのによぉ…」

「もし兄貴に再会出来ることがあるなら…」



「コスモスの花が咲く頃に」









To Be Continued…







『緊急ミッション発生』


『王の都ブラドザームにて出現した800体の魔物を殲滅せよ』

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