第6話 褐色色した王子様の婚姻話 (4)

「いいえ、今の言葉は朕の只の推測……。まあ、推理と言う奴ですよ。ふっ、ふふふ」」


 でも伯母上様は俺が不満のある顔、声音で尋ねても、完全に子供扱いで、易しく微笑みながら言葉を返してきたから。

 俺自身もムキになり、不貞腐れた顔を続けるのは馬鹿らしくなってきたので辞めて「そうですか」と言葉を返すと。

 俺は|イングリッシュ王国の女王陛下クイーン・エリザベータ・ガイ《一族の長》や実の父であるガンダーラ三世が、何をさせたいのかを思案する。





「女王陛下?」

「何ですか、ルドア?」

「女王陛下と父上様、御祖父様はようするに、この私目に対して早く婚約もしくは婚姻をするようにと思っていると言う事ですね?」


 俺は三人が何を求めているのかを思案して、答えがでたから伯母上様へと苦笑いを浮かべつつ尋ねた。


「ええ、そうですよ、ルドア。良く分かりましたね」


 我が一族の長は女狐様の策士だから、俺が何を尋ねてくるかを、もう既に悟っていたみたいだから。やはり俺の事を、子供扱いをしてクスクスと微笑みながら良く分かりましたね、ルドアちゃん、おめでとうと褒め称えてくれた。


 そんな伯母上に対して「ええ、何となくわかりました」と言葉を返して。


「今の私には、これだと思う女性がいません……。もし、よければ、我が一族の長のお眼鏡にかなう姫様がいれば御紹介していただけると助かりますが。どうでしょうか?」


 俺は伯母上様が企んでいる策……。


 そう俺の祖国である中央大陸の巨大なインドア帝国とイングリッシュ王国との絆をより深める為の策……。インドア帝国の貴族の娘から俺の子を産ますのではなく。このイングリッシュ王国の血を引く者に子を産ませる事で、インドア帝国の貴族達の力を徐々に削いで。香辛料の貿易の権限を手中に収め、イングリッシュ王国に莫大な富を呼び込む為の策と。更に欲深い、闇のある策に対して俺は一族の長の命ならば謹んで受けますと、遠回しに告げた。



「う~ん、そうですね……?」


 伯母上様は、俺の目の前で一応は考える振りだけはした。


 でも直ぐに「わかりました、朕の目に入れても痛くない程可愛い貴方の頼みですから。朕が我が一族の才女を貴方の妃として選んであげましょう」


 伯母上様は自分の計略が叶ったので大変に満足な顔、微笑みを浮かべ見せてくれたから。俺は何だかんだと言いながらも、この通りの伯母っ子なので満足して。


「女王陛下、あの、ですね?」と微笑みながら声を掛け。


 その後は話を変え、伯母上様と午後の紅茶と世間話を楽しんだ。





 ◇◇◇




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