第5話 褐色色した王子様の婚姻話 (3)
でッ、俺自身がほんの一瞬だが思案をすると。
「女王陛下、自分には女性との縁がないから婚姻の方が未だなだけですよ。それがどうかしましたか?」
俺は伯母上様へと当たり障りのない言葉を直ぐに返す。
「ふふ、嘘おっしゃい、ルドア~。朕も色々と貴方の事は聞いてはいますよ」
でも俺が伯母上様に言葉を返しても、どうやら誰かさん達から色々な話は聞いているようなので。俺の嘘偽りは直ぐに伯母上様に見破られてしまっているようだから。
「えっ! あっ、ははは」と笑い誤魔化せば。
「貴方の父上であるガンダーラ三世から。貴方の国でのプレイボーイ振りは聞いていますよ」
伯母上様も俺同様に苦笑いを浮かべながら告げてきた。
しかし伯母上様の俺への問い掛けの方は未だ終焉を迎える事も無く。
「……ルドア、貴方は、インドア帝国内の貴族の娘や町娘と逢引きばかりを繰り返す割には、何時まで経っても妃を決めてくれぬから困るのだと言っていましたよ。だから朕の口から貴方の事を少し叱って欲しいと御父上やグラニュー卿から頼まれたのですよ」
伯母上様は最初は微笑みながら優しくだが、でも言葉の最後の方は、自分の目を細め、重たい声音で親父様た爺様に、一族の長として俺の事を諫めてくれと嘆願されたのだと告げてきた。
だから俺は脳裏で、クソ~、親父様と爺様は要らぬ事を伯母上様に頼んで……。鬱陶しいなぁ~と思い。
伯母上様には「あっ、ははは、そうですか」と笑い誤魔化した。
「ルドア~?」
「はい」
「貴方はもしかして町娘の中に好きな娘がいて。その娘と身分が違うから父や母に紹介する事が出来ずに悩んでいると言う事はないですよね?」
俺がマジで面倒な事を親父様や爺様は、伯母上様へと嘆願をしたよな~。マジで勘弁してくれ~! と、自分の脳内で嘆いていると。
伯母上様がまた訳の解らいない事を俺に尋ねてきた。
「あのですね、女王陛下? 私には、そのような女性はいませんが。父上様や御祖父様が、そのような訳の解らない事を女王陛下へと告げているのですか?」
俺は伯母上へと少しばかりムッとした顔で尋ねた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます