第4話 褐色色した王子様の婚姻話 (2)

 だから俺は自分の本国であるインドア帝国にいるよりも、お袋様方であるこのイングリッシュ王国にいる方がこのように寛ぐ事ができるから。

 俺は長い船旅になるけれど、自分の領内はお袋様やあいつに任せて、水軍の練習航海と新たな兵を集める為の奴隷商人との取引を理由に、このイングリッシュ王国へと滞在しているか?


 俺の住居があるマド島での引きこもり生活……。


 特に俺の住居は小ぶりだけれど、和式の三層仕様の城で内堀、中堀、外堀の三段構えの強固な城郭の上に魔弾を発射できるアームストロング砲も完備で──! 俺の親父様が住み暮らすインドア帝国の宮殿よりも強固な造りだから。

 親父様が自分に一大事があれば、俺の城迄退避をするは、わっ、ははは~! と高笑いするほどの城なので。俺はお袋様とアイツを城に投げ、放置しても里帰りが出来ると言う訳なのだ! と説明をしたところで話を冒頭シーンへと戻すけれど。


 クイーン・エリザベータ・ガイ伯母上様に第二の故郷の茶葉を褒められた俺は上機嫌で。


「そうでしょう、そうでしょう、女王陛下もそう思うでしょう? 特に和の国の茶葉はシンチョウの物よりも優れて、コクもあり美味しいですよね」と尋ねる。


「えぇ、そうですね、ルドア……」


 伯母上さまはまた俺の意見に同意をしてくれた。


 だから俺は嬉しくて仕方が無いので、更に機嫌よく微笑みながら、また紅茶を飲み始めるのだった。





「ルドア?」


 俺が紅茶を飲み始め、香りを嗅ぎ、堪能し始めると伯母上様が声を掛けてきた。


 だから俺は紅茶の香りを嗅ぎ、楽しむ行為を辞め。


「女王陛下、何ですかな?」と首を傾げると。

「……ルドア、彼方は何故、何時迄経っても妃をとらないのですか?」

「えっ、私ですか?」

「ええ、そうですよ、ルドア、貴方です」


 首を傾げる俺に伯母上様は嫁を盗らぬ、のか? と尋ねてきた。


 だから俺は苦笑いを浮かべつつ、さて伯母上様へとどのように答えるかな? と少しばかり思案をする。


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