第3話 褐色色した王子様の婚姻話 (1)
【ルドア編】
「う~ん、やはり、伯母上様の国で栽培された茶の葉を発酵加工して作った紅茶の香りは、私の国や他の国で栽培され茶葉を発酵加工した紅茶の香りよりも断然によいですね、女王陛下……。そう思いませんか?」
俺は叔母様の嫁ぎ先である和の国のお茶の葉を発酵させた紅茶を一口飲み、口に含み、喉を通すと、やはり和の国茶葉一番だと絶賛した。
だから俺をお茶へと誘ってくれた母方の方の一族の長に当たるイングリッシュ王国の女王陛下クイーン・エリザベータ・ガイ伯母上さまへと紅茶のお味はどうか? と。
俺は今日も凝りもしないで微笑みながら尋ねてみた。
「ええ、ルドア、貴方の言う通りです。シルフィーの嫁ぎ先の国で獲れた茶葉を発酵加工した紅茶は何とも良い香りと味わい……そしてコクがありますね……」
伯母上さまも俺と同様に和の国の茶葉……。
そう俺の第二の故郷とも言える和の国の茶葉が美味しいと絶賛してくれたから嬉しくて仕方がない。
だってこの俺は幼少期に、実の父であるインドア帝国の皇帝……。ガンダーラ三世皇帝陛下の命で最強のサムライウォリアーになるべく、伯父上のシマズ伯の許へと留学……。
そこで伯父上や先生達からサムライとは何か? を教わり、極め、免許皆伝を頂き、戦好きの伯母上からは戦の仕方──戦術を嫌と言うほど叩き込まれ。
最後にはこの世の究極とも言えるボスモンスター武器、防具の扱い方も、甥の俺が泣こうが、喚こうが、伯母上は他国から鬼シマズと呼ばれる猛者だから強引に叩き込まれた。
そうまさに修羅の国……。和の国での俺の生活だったのだが、武術と勉学以外は本当に楽しく過ごせた。
特にシマズ伯領は、このイングリッシュ王国からの移民も多く、俺の伯父上や伯母上以外にも叔父上や叔母上もいるし、従姉弟達も多いから、何不自由なく暮らし、領民達とも仲良く暮らせた。
だから楽し思い出しかなく、
でも俺の初陣で下手をやらかし、伯父上や伯母上……。そしてこのイングリッシュ王国でも知名度が高い戦上手の叔父上二人……。叔母上達にも恥をかかす訳にはいかないからと俺は初陣に関わらず、我がインドア帝国の領内にはなるのだが、本国からは海を挟んでいる天然の要塞マド島……。
そうマド島は海を挟んでいるが為に、歴代の領主は本国に対して反骨心が強く、歴代の皇帝の意に反した行動をとるは、謀反を企むはで、何度も国内紛争を続けてきた領地だった。
それを俺の親父様が「水軍と陸軍は貸してやるから、ルドア……。お前がマド島を攻略してみろ! あの島を攻略できれば。都督として水軍と島をやるから、お前がマド島を平定をしてみろ!」と、自分自身も出来なかった無理難題を押し付ける下知をしてきた。
だから俺は、えっ! マジか? 嘘だろう? と思う。
そして嫌だな~。マジで俺があの島を攻略するのか? と困惑した顔を親父さまに見せながら少しばかり思案をする振りをして回答を遅らすのだが。
俺の親父様は、中央大陸の大帝国の皇帝陛下様だから、下知を断る訳にもいかない。
「はい、分かりました。陛下……。謹んで命令を受け、この大役を見事に成功させ、陛下……。いや、陛下だけでなく、歴代の皇帝陛下様達の悲願を必ずや私目が成功させ、あの地に安定をもたらせて見せましょう」
俺は初陣……。若輩の身ながらも都督の任を受け、親父殿から我が国の近代化した水軍を預かり都督をしていたお袋様を副将として、世界的にも高名な
先ずは敵の城、軍港、要塞や町を、このイングリッシュ王国で製造された新鋭艦のアームストロング砲を使用して徹底的な艦砲射撃と、インドア帝国では珍しい回復魔法、蘇生魔法によるゾンビ攻撃……。
そう、自軍の兵士が大怪我をしようが、他界をしようがクレリックの回復魔法と蘇生魔法を使用して粘り強く攻撃をしながら上陸作戦を成功させ、各要所を占領……。
敵の居城は、インドア帝国では俺しか持たないボスモンスターの防具と武器とを使用して破壊──!
俺は過去の皇帝達が出来なかった偉業を親父様の代わりに成し遂げ、家のお袋様に流れるイングリッシュ王家の海賊の血の良さや、和の国でも精強と名高いシマズの伯父上や伯母上達の武勲の名を汚さぬ事が出来た。
だから俺はやった~! と言った充実感とホッ! とした安心感を得られる事が出来た。
でもマド島攻略後は、俺に対しての国内での評価がうなぎ上りになってしまい、兄上達も含めてインドア帝国の高官達や貴族達からも一目置かれる立場になった! と言いたいところだけれど。
インドア人とイングリッシュ人のハーフである俺だから、皆は嫉妬心や猜疑心……。
そう俺がイングリッシュ王国の軍を国内へと招き入れ、インドア帝国を売国するのではないか? と言った冷たい目で見詰められるから。」
俺はどうやらインドア帝国内では超がつくほどの嫌われようだ。
(お願い)
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