第009話 神聖魔法:Byシリエル先生

~なぜなにシリエル先生~

 長くなってますが、今回は精霊魔法とは異なる二つ目の神聖魔法についての説明となります。

 神聖魔法は、先に紹介した精霊魔法とは別系統との認識が、この世界の常識となっています。


 神聖魔法には、精霊魔法と違って過去に実在した聖女や聖人が書き残したとされる魔法書が神殿などに残されています。

 魔法書には魔法名と詠唱の他に事象改変の詳細な効果が記述されています。

 この魔法書を才ある者が幾度も繰り返し読み返して、内容を完璧に丸暗記することで魔法行使が可能となります。

 基本的には、詠唱と共に暗記した事象改変の詳細効果を思い起こせば、使用者が具体的な魔法のイメージをすることができなくても、魔法書に記されている事象改変を得られるのです。

 この事から神聖魔法は精霊魔法とは隔絶した別系統の魔法として扱われています。


 主だっては、傷の治療や状態異常の回復となっており、その魔法は奇跡の御業みわざと人々は称賛します。

 因みに神聖魔法の適性がある者の割合は高くなく、むしろ低いと言えます。

 魔法が一般的なこの世界でも貴重な存在なので、神殿や教会は所在地に住んでいる子供たちが幼い頃に識字教育と称し騙して、超初級のライトヒールを暗記させて才ある者を見つけだしています。

 実に腹黒でブラックな教育現場と言えますね。

 因みに、下級下位クラスの回復魔法ライトヒールはちょっとしたり傷や切り傷を癒す程度で、魔法力消費の負担も小さい神聖魔法です。

 小さな子供でも一日に数回は使える程に魔法力の消費が少ないのですが、使える者の割合は十人に一人程度です。

 そして難易度が上がる程に行使可能な者の数は減ってしまい、中級上位クラスでは下級上位クラスの神聖魔法を行使可能な者の中で百人に一人程の割合となります。

 そして上級クラスの神聖魔法を行使可能な聖女や聖人に至っては、国内に数人居れば、その時代の王は神様から祝福されし者と称賛されるほどでした。

 逆に不在の期間となることは、珍しくないものでしたが、その際には神様から見捨てられた統治者とみなさ求心力が急速に失われてしまいます。

 実際のところ、その統治者は幸運値が低い者が多い傾向がある為、どの道って感じなのは、ここだけの話です。

 そのことから、統治者にとっては聖女や成人の存在は死活問題でもあり、国や領地を保有する者にとっては、聖女降臨や発見の知らせは正に吉報と呼べる垂涎のモノとなっています。


 因みに中級クラスの治癒魔法には身体の部分的欠損の再生が可能で、中級上位クラスのグレーテストヒールでは手足でしたらトカゲの尻尾の様に再生しますし、内蔵も破裂などの状態、体に大穴が開いて吹き飛んだりして消え失せてていなければ、再生させることも可能です。

 そして、上級クラス回復魔法フルヒールなら、生きてさえいれば、例え半身が吹き飛んだり、消し炭になっていたとしても治療再生することが可能です。

 他にも上級クラスの神聖魔法には、死者を生き返らせる蘇生魔法すら存在しています。

 そんな奇跡の御業でも病死や老衰などの自然死、死んでから時間が経過して魂が失われた場合、魂が残っていても肉体の損傷が著しい場合には蘇生は不可能とされています。

 それでも、魔獣や魔物との驚異が身近に潜み、危険との距離がより身近となっている世界では、無くはならないモノであり、奇跡と呼ぶに相応しいモノとなっています。



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 今回はシリエル先生の解説回となりましたので、リンク先のイメージはシリエル先生となっております。

シリエル先生

https://kakuyomu.jp/users/kunnecup1103/news/16818093076535331515


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