第008話 精霊魔法:Byシリエル先生

~なぜなにシリエル先生~

 今回は魔法の話題が出たので、この世界の魔法について説明しますね。

 少し長くなってしまうので、お付き合いしてくれると先生は嬉しいです。


 この世界の魔法は、二種類あるとされています。

 一般的に使われる攻撃魔法や生活魔法は、精霊を介して事象改変を発現させる精霊魔法です。

 二つの魔法に関係する能力ステータスは、知力と魔力となっています。

 知力によって魔法の効果などの及ぼす影響や得られる効果、即ち事象改変を具体的にイメージします。

 次いで魔力によって周囲に存在するとされる精霊に呼び掛け助力をうのに併せて精霊へと構築した事象改変のイメージを伝えます。

 それを受け取った精霊は、事象改変の対価として魔法行使者に魔法力マナを求めます。

 それに応え対価魔法力を精霊へと捧げることで、魔法行使者が望む事象が得られるとされています。

 早い話が、使いたい魔法をイメージして、精霊さんにお願いすれば知力と魔力次第で行使可能ってことです。

 なので、求める事象改変の能力ステータス要求値さえ満たせれば、誰でも比較的容易に魔法を扱うことが可能なのです。 

 因みに魔法力は知力と魔力に比例、生命力は強靭と体力に比例してるとされています。

 その二つはステータスプレートに記されていないので、先人の経験則からその存在が捉えられており、それは正解でした。


 比較的簡単に魔法が行使できる世界ですが、哀しいことに脳筋系おバカさんな方は関連する能力値が低いので、強い事象改変──実用性が高い攻撃魔法などは使えません。

 例えば、土魔法ストーンバレットとの硬質で密度の高い石礫いしつぶてを高速で撃ち放つ魔法ですが、辛うじて行使できるレベルでは、生み出す石礫は小さくて軽くなり、撃ち放つ速度も緩慢なモノとなってしまいます。

 因みに関係する能力値が低い場合でも対応策があります。

 それは魔法名を唱える、詠唱を付け加える事で要求値の緩和や魔法の威力や効果を底上げできるんです。

 実に厨二チックで恥ずかしいですけど背に腹はかえられないので負けてはいけませんよ!

 なぜなら、殆どの人たちは魔法名を唱えて事象改変を補強するのが、この世界の常識ですから、魔法名を唱えるまでは気にしなくても大丈夫です。

 それでも知力や魔力、魔法力が望む事象改変の能力要求値を満たしていない場合には、恥を忍んで詠唱を付け加え、顔を赤面させながら魔法名を唱えてたとしても、望んだ魔法は発動はしません。──得られる事象改変は、『くっ殺』と思える程の羞恥と完全に折れてしまった自分自身の心ですので、ご利用は計画的に、正にプラスレスですね。


 因みに詠唱が知れ渡っているのは、生活魔法と称される基礎的な極小威力のもので、主には子供たちの魔法の訓練に用いられています。

 その為、背伸びをして高威力な魔法を使おうとする魔法士は、先達から教えられた魔法名や詠唱を用いるか、もしくはオリジナル自作黒歴史の魔法名や詠唱を自ら披露する羽目になります。

 ほんと羞恥プレイ好きのドMさんですよね。


 そして哀しいことに、世の男性陣は能力値の傾向から実用レベルで魔法行使が困難な方がそれなりに見受けられるので、魔法が不得手な人もさほど珍しくはありません。

 そんな彼らですが、その代わりに身体系能力値が高く、関係する強化系スキルレベルを保有している傾向があるので、悲観し過ぎる必要はありませんでした。


 因みに、この世界の魔法が精霊魔法とされているのは、実際に精霊を目にした者が居ないためです。

 魔法を行使すると魔法力が自分自身の体から抜け出る独特の感覚が生じるので、周囲にいる精霊へ魔法力マナを対価として捧げているとの考えが定説化しています。


 基本的に魔法は周囲の環境に関わらず発動しますが、周囲の環境の影響により魔法の威力は増減するので注意してくださいね。

 環境に適さない魔法を行使する際には、捧げる魔法力の量を増して補う事が出来れば、例え水中でも火魔法を実用レベルで行使可能となります。

 一般的には水中なら環境に適した水魔法を用いた方が、魔法行使者の負担は比べ物にならない程軽くなりますし、同程度の魔法力消費でも威力が格段に上がります。

 そのことから、環境に適さない魔法を用いる者は殆どいません。

 なので、人族が戦闘に用いる攻撃系魔法は土魔法や風魔法が主流となっています。

 理由は単純で、人族が普通に活動する環境は、常に大地と風が周囲に存在しているからですね。

 一方の火や水は生活魔法として用いられており、例えば火魔法なら種火、水魔法は生活用の水を生み出すモノとして使われる事が殆どとなっています。


 因みにフロレアルには憧れの英雄譚の登場人物がおりまして、その人物が火魔法を好んで使っていた事、土と風は見た目が基本的に地味との理由で好みではなかったとの逸話から、同様の傾向を持ち合わせております。

 その為、フロレも周囲に延焼する物が無ければ、優先的に火魔法を使うみたいですよ。


 それに加えてフロレアルが自分自身のことを『アタシ』と呼称するのは、その憧れの登場人物をリスペクトしているからなんですよ。



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 今回はシリエル先生の解説回となりましたので、リンク先のイメージはシリエル先生となっております。

シリエル先生

https://kakuyomu.jp/users/kunnecup1103/news/16818093076535331515


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