第一章 小さな英雄
成長・修行編
第016話 初めての旅路
アタシは、生まれ育った故郷から初めて外の世界に出た──それは故郷の村の近隣の森へ赴くのとは意味が違う、世界を巡る旅の始まりであった。
アタシは、外套のフードを深めに被りつつ、街道を最寄りの町へと向けて北へと独り歩んでいた。
フードを深めに被っているのは季節的に日差しが強いことから日焼け予防も理由の一つだが、傾国の美貌で無闇に人種などを魅了しない為でもあった───
〜なぜなにシリエル先生〜
フロレアルの気持ちとしては、今のところは積極的に傾国の美貌で魅了従属による贄を増やす考えは無いようですね。
──どこぞの野菜チックな戦闘民族とは違って、自分自身の戦闘力を闇雲に高めるとの考えは、今は無いみたいです。
それでも、意図せずに
今現在フードを深く被っているのは、肉食系の魔獣やら魔物が対象だった場合には目も当てられないからです。
もしも、傾国の美貌が原因で、それらに襲われでもしたら──とある呼吸法の使い手で片手義手の筋肉質な爺さんの様に
傾国の美貌の効果からすると魔獣や魔物らはフロレを目にした瞬間に、その目は血走り、瞳には骨付き肉やらドクロマークが浮かびあがり、口元からは大量の唾液を垂れ流すことでしょう。
そしてフロレを目指して脇目も振らず一心不乱に駆け寄って、
残念ながらフロレはリアルケモナーな
例え
閑話休題
アタシは、魔獣や魔物との遭遇を警戒し、村を旅立ってからは、やや緊張しながら歩みを進めていた。
それでも、
そして、初めて目にする村から離れた場所、その見知らぬ景色を眺めつつ、今後の展望に思い馳せるに併せて、己の胸は高鳴り始めていた──ふと気付いた頃には萎えかけてた気持ちや緊張は消え失せていた。
そして、意気揚々と初めの目的地であるチェーネの町を目指し、北へ向けて歩みを進めるのだった。
──結局のところ、街道を丸一日歩いていても誰かとすれ違う事や魔獣やら魔物に襲われるということもなく、気付けば徐々に日が傾き始めていた。
アタシは、晩春特有の夕暮近くの肌寒さを覚え、夜の到来が近付いていることを感じ取っていた。
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フロレアル(主人公)①
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