最後に宛てたメッセージ

BB ミ・ラ・イ

最後に宛てたメッセージ

「ありがとう」永眠ねむるそばへと近づいて彼へ贈った最後の一言ことば


 通夜の晩。枯れないナミダ流しけり震えるカラダ別れ惜しんだ


 然れども彼との過去を振り返りあなたに逢ふて良かりし思ふ


 寒村の古きみやこは『故郷こきょう』なり故郷ふるさと離れ都会へ移し


 学舎まなびやへ向かふ路電で一目惚れあふるる想いおさへきれずに


 便箋へ想ひしたため送り合ふ一夜一通かいた恋文


 ふみ交わし二度目の夏に交際へ菓子カンばこに五◯◯通ほど


 村育ち田舎ゐなか生まれのおさげ髪、水玉模様ワンピース着て


 彼に逢い高き身の丈、マッシュヘアー、優しい笑顔、黒の学ラン


 明くる年、夏季休暇の末、思ひ出し彼を待ちわび窓の秋ぞら


「ようやく暑い夏が終わったね」そう、ささやくやうな秋のそよかぜ


 放課後に彼と思ひて振り返りそこに視えるは無人の机


 ファミレス、居酒屋、カフェ、バイキング 和食、洋食、スイーツ食べて


 花見、海 公園、祭り ピクニック ドライブデート 花火もしたわね


 その帰り彼に連れられ星も見た。然れど、それが彼との最後


 帰路につき一人になった彼だけが事故に遭遇 、還らぬ人へ


 ふたりの夢、憧れ語りし日の思ひ心に残りて今も輝けり


 握りし手ぬくもり大なり心温かあなたのぬくもり今も感じぬ


「ありがとう」「ごめんなさい」と「さようなら」もう言えないから素直になりたい


 もう一度、逢えると信じ償いと感謝の気持ち彼へと ——— 届け

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