第99話 続々と砂漠
学園研究都市地下のLAFに通い、全員がレベル45を無事クリアした。
ゲーム内では狩場でもかなりラクに狩れるようになり、ドロップも手に入れている。
しかし、それだけである。
現実のアイテムボックスに物が増えるわけではない。
ゆうごからは、『北の砂漠』の血盟員を着々と増やしてMAX50人までいったと連絡があった。どうやら
そこでうちも皆で話し合って帰還組が盟主になりそれぞれ血盟を立ち上げる事になった。
と言うのもいつまで今の状態が続くかわからない。
今の状態が続く、良い意味ではネット通信が使えてゲームが出来る状態の事だ。
だが良くない状態がいつ来るかもわからない。
帰還組の血盟に加入するとステータスが見えると言う謎状態が続くうちに、もっと血盟員を増やして、アイテムボックス持ちを大々的に増やし物資収集を急ごうと決まった。
隕石落下、衝撃波、津波、地震、火山噴火と、現在はここで落ち着いているが、落ち着いているのは無事だった地域だけだ。
まだまだ救助待ちで死んでいく人は多いはず。
もちろん国が動くのが当たり前なのだが、国の組織が有るのか無いのか判らない状態の今、それを待っていたら日本は滅んでしまう。
6人しか居なかったリアルステータス所持者が、今は30人以上。自衛隊込みだからもっと多いか。
それに北海道でもゆっくりではあるがリアルステータス持ちはじわじわと増えているようだった。
ここ、茨城で増やさなくてどうするんだ。
そこで話し合いの末、血盟を分ける事になった。
『
『
『
『
俺は『
もう異世界に戻る事は無いのだが、『月の砂漠』を抜ける事で、異世界仲間と完全に切れてしまう気がして踏み切れない。
「割り切るしかないでしょう」
「そうですね、もう
「それに現ツキサバはさぁ、ウサ男も花屋敷もログインしないだろ?生きているのかもわからんしな」
「そうだよ、カオるーん。血盟員増やせないよ?」
「僕、父さん血盟に入れないの?」
うおぅ、マルクの涙がたまったキラキラ目攻撃だ。
「わかった。ツキサバは抜けるぞ。………あれ? 何だ?」
「どうしたんです? カオるん?」
「いや、今さ、脱退ボタン押したらさ『血盟を解散しますか?』ってメッセージが出たから……」
「ああ、なるほど。盟主の自動交代が起こったのですね」
「えっ、何それ」
「血盟主が一定期間ログインしないと、ログイン時間の多い者に盟主が自動的に移ってしまうシステムです」
「ああ、ウサ男も花屋敷も災害前からログインしてなかったからなぁ。3人の中だとカオるんが最長になったんだな」
「じゃあ今、俺が盟主なのか?」
「そうです。マルク君の加入申請も処理出来ますよ?」
それを聞いたマルクが凄い速さで俺に加入申請を送ってきた。さらにアネの姉である
俺はふたりを承認した。
「うふふふふー、やったぁ!父さんと一緒ぉぉぉ」
「よろしくお願いします」
大喜びするマルクはともかく、
「この先、血盟で行動する時にウィズだけより前衛がいた方が良いでしょう?」
「マルク共々、よろしくお願いします」
「カオるん、血盟の名前も変更出来るみたいだぞ? この際名前も変えちまえ。 派遣の砂漠とかいいんじゃないかw」
ミレさんが茶化す。しかし、そうか、変えられるんだ?
「派遣の砂漠か……うぅむ。でもいつまでも派遣事務っぽいのもなぁ」
「いや、色んなところに救助派遣に行く!の『派遣』でいいんじゃないか?」
「あ、では、
「いやいやいやw カオるんに覇権はないわー」
「失礼な!じゃあカタカナにするぞ。ハケンの砂漠だ」
俺は血盟名を『ハケンの砂漠』に変更した。
あっ、ああああ、ツキサバを残したかった理由をうっかり忘れたぁ。これで
まぁ、前に向かって進む為に良しとするか。(でもちょっとだけ、俺のバカバカバカ、ムゥナのみんな、ごめんな。サヨナラ)
「ついでに、ウサ男と花屋敷って追放してもいいかな。俺会ったことないけど、どんな奴ら?」
「ああ、切っていいですよ。ここまでログインがないのですから今後ログインがあるとは思えません。リアルの人物も知りませんし」
『ハケンの砂漠』 盟主は俺カオ、血盟員はマルクと
それから北海道に、
『
自衛隊は、
『
『
『
増えたなぁ。
けど、何でみんな『砂漠』なんだ? いや、俺もだけどさ。
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