日記12

×月×日 くもり


アルフレッド様の処罰と対処について、すべて終わったらしい

今はもう彼の婚約相手ではなくなった私には、詳しい話は後になってから聞いた


どうやら病気療養ということで、辺境へ送られるようだ

おそらく、政治に関わらせないよう物理的に遠くへ送るという判断なのでしょう


この決定に、私は特に意見はない

アルフレッド様のしたことは許されざる行為だったから

その処罰も当然

むしろ甘いと思ったり


おそらく、今後は彼と顔を合わせる機会もないでしょう

なので、どうでもよかった



×月×日 はれ


ブレット君が反逆を阻止したことで、評価が大きく上がったと聞いた

その功績で、ブレット君が王位継承権第一位になったのだとか

まさか、ブレット君が次期国王になる日が来るなんて

とてもめでたい


でも、これから一緒にダンジョン探索を続けられるのかしら

偉くなったブレット君は、ただの貴族令嬢になった私なんかと一緒に探索を続けられるのかな

それだけが心配だった



×月×日 くもり


私の新しい婚約相手が決まった

その相手は、なんとブレット君だった

国王陛下からの提案を受けたらしい


それは断れる話ではない

でも、私なんかでいいのかしら

私の方係よりも年上だし、一度は婚約を破棄されたような女なのに

ブレット君の立場を考えると、もっと相応しい令嬢がたくさんいるはず


不安になって、本人に直接聞いてみた

どんな反応をするのか、とてもドキドキしながら


「僕は、君がいい」


そう言ってくれたブレット君。とてもかっこよかった

今まで弟のような存在だと思っていたけれど、いつの間にか立派な男性になっていた


本当に嬉しかった

彼に求められていること

一緒に居ていいのね


彼と一緒なら、きっと大丈夫。一緒にいるだけで、安心感に包まれる

私は喜んで、彼の婚約相手になることを承諾した



×月×日 はれ


ブレット君と婚約してから、私たちはますます仲良くなった

変わらずダンジョン探索を続け、情報をまとめ、お互いの能力を高め合う日々


私たちは約束した

いつまでも、探索者として共に歩んでいくことを



×月×日 はれ


今日は、待ちに待った結婚式の日

婚約が決まってから1年ほど過ぎて、ようやくという気持ちだった

ブレットと、晴れて夫婦になれる


こんな日が来るなんて、まだ信じられない


でも、今日という日を迎えられて本当に良かった


これまで色々なことがあったけれど、私は本当に恵まれていたんだと思う

ブレットという素敵な人と出会い、一緒になれたのだから

これから先も、彼と手を取り合って歩んでいけたら


それが、私にとっての幸せ


今日を境に、私は新しい人生をスタートさせる

でも、大切なものは何も変わらない


ダンジョン探索者としての魂も、彼への愛情も

全てを胸に、私は新しい一歩を踏み出す

最高の笑顔で

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る