第2話 兄と妹

「お兄様ずるい!私もお馬さん乗りたい!」

「まだ足が届かないだろう?もう少し大きくなったらね」

「お兄様は私の歳で練習始めたって聞いたわ!私もやりたい!ずるい!」


「お兄様ずるい!どうして私だけ刺繍しなくちゃいけないの!」

「お兄様は下手だから、君が上手になってお兄様の分も作ってくれると助かるよ?」

「私だってやりたくないわ!針よりも剣がいいのに!お兄様だけずるい!」


「お兄様ずるい!お義姉様とお菓子食べてた!」

「…君の誕生日の味見の相談してたんだよ?楽しみに待っててね?」

「いっつもお義姉様とお出かけして!私もお義姉様と遊びたい!お兄様ずるい!」



「お兄様ずるい。どうして女の子はおりこうにしなきゃいけないの。」

「君はとってもお利口だよ。女の子でなくても、周りを見て上手く合わせるのは大事なことなんだよ。やりたいことやる近道だから頑張ってごらん。」

「お兄様ずるい。どうしていつも男の子に合わせなきゃいけないの…。」

「(兄)(そろそろ面倒事になる前に相性の良い婚約者探してやらないとな…。)」



妹を伸び伸びさせつつも淑女に誘導したいけれど甘い兄。

そんな都合の良い兄はこの世に存在しねぇ!清純で優しい義姉くらい存在しねぇ!

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