差別と区別の境目

白火取

第1話 姉と弟

「お姉様ずるい!私もお人形欲しい!」

「同じのを持っていてもつまらないわよ、こちらのオモチャにしない?」

「イヤ!お姉様のそれが一番かわいいの!お姉様だけお人形ずるい!」


「お姉様ずるい!私もネックレス欲しい!」

「小さい物は失くしやすいわよ、こちらのしっかりしたブローチはどう?」

「イヤ!お姉様みたいに小さくて沢山が可愛いの!お姉様だけキラキラずるい!」


「お姉様ずるい!私もドレス着てみたい!」

「えっと、身体に合わせて作るから、あなたが着ると動き辛いのよ?」

「イヤ!どうしてお姉様ばかりドレス作ってもらえるの!ちょうだい!」



「お姉様ずるい。どうして僕は可愛いのダメなの。」

「ダメではないのよ。貴方にはかっこいい方が似合うから、可愛いはちょっとだけにしたほうが素敵になるのよ?お家の中で色々試してみましょう?」

「イヤ…。可愛いはいっぱいがいい…。」

「(姉)(どう説得したものかしら…かっこいい女の子でも紹介しようかしら…。)」



弟が世間体に傷つけられないよう、さりげなく誘導して守る姉。

ずるいずるいは妹だけのものではないんやで。

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