第7話 暫定悪役令嬢卒業

 結婚式も新婚旅行も新婚生活もすべて順調に終わりました。


 近親者だけの結婚式は貴族としてはかなり例外なのですが好評でした。

これからも社交界に出るつもりはありません。

 義兄にとっても優秀な義弟が社交界で活躍しないメリットが大きいようです。


 私達はこれからも家を切り盛りして目立ちすぎずにほどほど稼ぎ現状維持することが求められているのです。


 子供は一姫二太郎となりました。

さすがに古すぎる言い方でしょうか?


 子供たちは夫に似てとても優秀です。

 

 本当に夫の子供なのかですか?


 心配しなくても私は夫以外は知りません。

女子大生の時ですら誰も知らないのです。

って、なんてことを言わせるのですか!


 血統を重んじる貴族社会ですからご婦人方は操が固いのです。

建前としては……。


 私は本当に夫だけですよ。

詳しくは知らなかったのですが純潔を確かめる魔法があると教えられた時は血の気が引きました。


 さすがに王家に関係する女性にしか関係が無い魔法らしいですが……。


 魔法がある異世界では裏で何が起きているのか恐ろしいです。


 今となっては、もう関係ない話ですが。


 夫と子供たち。

父と母も引退しても元気で経済的にも安定してて平和な世界。

聖女様は伝説のままで魔物とかも子供に聞かせる英雄の活躍の小説の中だけの存在。


 いまでは思う事があるのです。

もしかして私が勝手に自分は悪役令嬢と思い込んでいたのではないかと。


 それなら存在もしないヒロインに怯えていただけのおまぬけさんと自分に言いたいですね。


                                   終わり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

暫定悪役令嬢 ミルティア @sapphire5

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ