第3話 暫定悪役令嬢奮闘
暫定お父様は、これまた悪役令嬢の父親に相応しいテンプレート満載の人でした。
話は懸念していたこと。
王子様とのお見合いである。
中世ヨーロッパのような雰囲気なのに衛生面が現代日本と同じでお風呂好きな文化。
あきらかに悪役令嬢のテンプレートの世界ですね。
兄弟姉妹が居なかったのは運が良かったのか悪かったのかわからない。
でも、王子様と結婚するのならだれが家督を相続するのだろう?
養子縁組で義弟が登場してヒロインに惚れるパターンかな?
そうよね。
悪役令嬢ものでヒロインがハーレム作るのもお約束よね。
生まれて初めて合コンに行こうとしていた私とはレベル違いすぎるわ。
……こうしてヒロインに嫉妬して破滅していくのね。
気をつけなきゃダメだわ。
さて、メイドさんに聞きまくって今まで入手した情報を整理しよう。
家族構成は父に母と私の三人。
他の血縁姻族は不明。
この豪華絢爛なお屋敷には何人も働いていると。
それで大事なこと。
やっぱり魔法がある。
精霊も居た。
聖女も居たらしい。
なぜ居たらしいと言うのは、伝説の存在だから。
これは聖女に目覚めたヒロインが活躍していく王道ストーリと予想できた。
さすが兄貴の英才教育。
大魔法使いを目指しているだけはある!
……突っ込まれないの寂しいな。
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