第4話 カッスオドルとボエボエウスの旅Ⅱ

~オープニング~


おぎゃあ!おぎゃあ!と、赤ちゃんの生まれたての鳴き声が響き渡る。もちろん人間ではない、しかし人間が0%かと言われるとそうでもない、彼は今しがた太陽のプロミネンスから生まれ出でたのだ。


つまり、人間ではない。人々は彼を恐れた、その他称は「天上天下唯我独尊」である。


これが後にカッスオドル、以下カスと呼ばれる者の誕生なのだが、彼は謙遜した。

「いやあ~太陽から生まれたくらいで、大袈裟ですよ!中身はただの人ですから!」


カスが世に身を受けて直ぐの七秒後にこの文言は発せられた。人々にはその唇の震えに確かなオーケストラを見た。



~~~~~~~~~~~~~~~♪



(作詞作曲・ボエボエウス)


カス「えっ!?ボエ!」


ボエ「やあ、また会ったね」


二人は再開した。作品間を越えて再び巡り合えるのは主人公キャラの特権である。二人は再開の涙を杯に注ぎ、乾杯した。


ボエ「いやあ、偶然だな…『カスボエⅡ』の劇伴の作曲を頼まれて応じたら、また会えるだなんて」


カス「ああ、あれから元気にしてたか?」


ボエ「うむ、実は『Ⅱ』にも俺が登場することになっててな」


カス「えっ?どこに?」


ボエ「実は『Ⅱ』では前回からのグレードアップで…敵モンスターを仲間にすることができるんだ。その中の一匹が俺だ、ほら攻略本、見てくれ」


カスは己の目を疑った。そこにいたのは…何よりも醜いものだった。カスにはこのモンスターをどう表現したらいいか迷った。どの存在にも類似点が見られず、しかしただ「醜い」事だけが分かったのだ。


「鏡よ鏡、この世で最も醜いのはだあれ?」


「それはもちろん、『カスボエⅡ』の仲間モンスター、ボエボエウスです」


鏡が割れるような音が頭をつんざく。破片が全身を襲っているかのようだ。カスはもはや醜さへの殺意を押さえきれなかった。


前世の記憶が甦る…俺たちは二人で一生懸命、竜王を倒すために頑張った。二人の絆は何よりも揺るぎない確固たる信念だったはずだ。


カスは信念に何の意味も無いことを悟った。公式の改悪には誰も逆らえないのだ。


カス「死ぃねぇぇぇぇーーーーっ!!!この醜い汚物がぁっ!!!」


ドガッ!!!!!!!!!!


ボエは倒れた。


ボエが立ち上がり、仲間になりたそうにこちらを凝視している。


チュートリアル「おっと!これは仲間モンスターという新システムで、倒したモンスターが仲間になることが


ドガッ!!!!!!!!!!ドガッ!!!!!ドガッ!!!



…………



カスは負けた。一人旅では大神官リルファルが呼び寄せた破壊神パーヴェ・スキスラには勝てなかったのだ。くそっ、あの時ボエを仲間にしていれば……


-BAD END-


ボエ「また始めっから全滅か」

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作業用小説 聖騎士カッスオドルとボエボエウスの旅 ズルロウ @Rousan

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