グループチャット『裏・2年3組』①

 これは、私とあーちゃんが知らないクラスメイトたちの密談。


 2年3組の数名が参加する裏グループでの一幕。


――――――――――――――――――


酒本さかもと『今日のお昼休みは急展開だったね』

 

日向ひなた『私、あーちゃんが庭代さんを誘うところ見逃しちゃった』

 

酒本『日向はカトちゃんとイチャイチャしてたもんね』

 

加藤『イチャイチャはしてないけどなぁ』

 

花園『あら、二人は何してたの?』

 

日向『はい! 加藤さんに愛妻弁当をあ~ん♡してもらってました!』

 

加藤『愛妻弁当ではないよ笑』

 

日向『えー』

 

花園『あら、振られちゃったわね日向さん』

 

日向『慰めて由香里ママ〜』

 

花園『よしよし』

 

酒本『日向とカトちゃんのバカップルはいいんだよ』

 

日向『バカップル……』


菅原すがわら『実際そうでしょ! 私も居るのに二人だけでイチャつきやがって!』


加藤『ごめん菅原さん』


日向『ごめんね……』

 

菅原『虚しくなるから謝るな!』


酒本『そんなことより、庭代さんとあーちゃんのことだよ!』

 

加藤『って言っても、教室を出た後の二人のことが分からないからなぁ……。誰か昼休みに二人を見た人いる?』

 

花園『昼休みの庭代さんと黒井さんなら、コソコソ階段を降りて何処かへ向かっていったわよ。黒井さんの背中に引っ付いてオドオドしてしてる庭代さんが可愛かったわ』


菅原『羨ましい、私も見たかった……どうしてあんなにも可愛いのに去年は存在感ゼロだったんだ……』


川崎かわさき『私なんて去年同じクラスだったのに顔も名前も知らなかった』


沢村さわむら『同じく』


酒本『それは流石に酷すぎ笑』


川崎『自分でも信じられないけど、本当に庭代さんが同じ教室に居たか分からないんだよね』


日向『でも正直、私もあーちゃんと一緒に居ないと庭代の存在を認識できない時がある』


加藤『あれはもう超能力レベルのステルス性能だよね』


花園『特殊な訓練でも受けていたのかしら? 私も黒井さんが隣りにいなかったら彼女のことを見逃してたわね』


沢村『何者なんだ庭代さん……』


川崎『今も昼休みは霧のように姿を消すからね。いつも何処に居るんだろ?』

 

酒本『今日はあーちゃんとどこでご飯食べたんだろうね? 今度こっそり付いて行ったらダメかな?』


日向『庭代さんは敏感そうだから、尾行したら気づくんじゃない? 怖がらせたら可哀想だよ』


菅原『尾行なんてしなくても、あーちゃんの目撃情報ならすぐ集まるよ。今度それとなく二人の行方については調べてみよう』

 

日向『それにしても、あーちゃんだけ嬉しそうな顔で昼食から帰ってきたよね』


酒本『あーちゃんのあんな蕩けたニヤケ顔は初めて見たよ』


加藤『手を繋いでる庭代さんからは負のオーラが出てたけどね笑』


花園『庭代さんは黒井さんに懐いているのか振り回されているだけなのか、いまいちハッキリしないのよねぇ』

 

加藤『あーちゃんは露骨に庭代さんのことを気にかけてるんだけどね……』

 

酒本『そんなチグハグな二人の関係が尊い』


花園『あんまりジロジロ見ちゃうと庭代さんに嫌われるわよ』


酒本『猫じゃないんだから笑』


菅原『急にスリスリ甘えてくる庭代さん……ヤバいな』


加藤『ネコ代さん……いいかも』


花園『まあ、外野の私達はそっと二人のことを見守りましょう。余計なことをするとネコ代さんに引っ掻かれるわ』


酒本『あ~、でも私も庭代さんとお話したい』


日向『あーちゃんが庭代さんの心を開いてくれるのを待とう。私たちは後だよ』


酒本『はいはい、分かってまーす』


花園『なんだか、これから楽しくなりそうな気がするわ』


酒本『これまで通り、我々はこっそり二人の関係を楽しませてもらおう』





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