第4話
父との約束事の中に何度かばれなければいいやと思って守らなかった事がある。それは「友達の家にあがってはいけない」「友達を家の中に上げて遊んではいけない」である。
父の考えは僕ら子供が他人の家や自分の家にあがると家が汚れるためという事から禁止されていた。
僕の近所には50m圏内に二人の幼なじみといえる男友達がいた。 当時家庭用ゲーム機が流行っており片方の友達の家にあがって遊ぶ流れが多かったのだが、初めは僕は父の言いつけを守り家にあがらないようにしていたが、 幼なじみの母親からあがっていいよと言われた言葉にあまえた事や、自分はあがれず仲間はずれにされていると感じた自分に負けて、僕は父を裏切りあがってしまった事がある。黙ってれば大丈夫と思っていたのだが、父はどこからかあがっていたのをその日のうちに知っており家に帰ったらすぐにご指導を受けたのだ。
また別の日に、当時近所でレゴブロックが流行っていて自分ではどうしてもわからないことがあった為に人生で初めてひとりの友達を母に許可をとり家にあげて教えて貰ったのだが、その時も父にばれてしまい、ごめんなさいを繰り返した。
それ以降友達の家に上がるや友達を家にあげるといった事は一度もない。
父はたまに付き合いで飲み会にでており父がいない事に僕は歓喜していた。なんなら毎週金曜日になると心の底から「今日が食事会でありますように。」や「お父さんが家にはやくかえってきませんように」と願うようになっていた。
そんなある日、父が飲み会にでており気分が高揚していた僕は母に うるさい と口答えをしてしまった。
この時よほど母の癇に触ったようで父と同じように父が帰るまで正座をさせられたのだ。
正座をさせられたのは慣れたものでよかったのだが、何時間も正座をしていると足は痺れ、尿意をもよおすこと事もあり、父であればトイレに行かせてほしいといえば行かせて貰えて、その間足の痺れをとったりしていた(後々父にはそれもばれていたようで30秒で戻ってこいと言われるようになった)が、その日の母はトイレに行かせてくれなかったのだ。
母は 「その場でせろ 」と正座していた僕に言ったので我慢ができなかった僕はその場で排尿したのだ。 そうしたら母が 「汚なさっ 自分で片付けろ」 というので正座を崩してはいけない僕は人生で初めて自分の服で自分の小便を泣きながら拭いたのだった。 母を怒らせてしまった僕が悪いのは仕方ないから逆恨みになるのだが、この経験は何年たっても鮮明に覚えており、正直憎いと思っている。
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