第3話
ある夏休みに入る前のこと。
僕は性格上めんどくさい事は後回しにしていたタイプだが、後々めんどくさいことがわかりきっている事に関しては早く終わらせようとするタイプだ。その代表として夏休みの宿題である。 国語、算数等のテキストを夏休みに入る前には終わらせてしまって後は遊びたいと考え実際に終わらせていたのだが、ここで僕はまたも父を裏切っていたことに気づいていなかったのだ。
テキストを終わらせて余裕をぶちかましていたのだが、テキストに書いていた字が汚かったのである。父は激怒し三時間の正座、そして尻叩き さらにテキストを引き裂いて僕の過ちをわからせようとした。
この頃尻叩きの回数は僕が父にお願いして叩いて貰っていた。頭の中では「今日は何回ですむかな? とりあえず5回くらいからいっとくか」 みたいな。 たった5回ですむわけがない事はわかってはいたのだが正直、尻を叩かれると痛くて嫌だったのでなんとか数を抑えたいと思っていたのだ。 ま、結局運がよくて10回や20回程度におさまるわけだが。
夏休みをテキストを引き裂かれた時は正直困った。 父にお叱りをうけるだけじゃなく、テキストは同時に学校の先生に提出するため、ボロボロになったテキストを見た担任の先生から指導をうけることが頭をよぎり、どう回避するか、ない頭をフル回転させて策を考えていた。 引き裂かれたテキストをセロハンテープでくっ付けて修繕し終わった頃、ありがたい事に、教師だった父は同じテキストをどこからか持ってきてくれてこれにより学校の担任の先生から怒られることが回避できたのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます