第2話
歳を重ね、その間僕は父を裏切り何度も嘘をついた。学習能力が乏しかった僕は目先の楽しさやめんどくささから後々怒られる事がわかっていても宿題を後回しにしたり、小学生の頃 れんらくちょう という物があり その字を汚く書いていたことでよく ごめんなさいを繰り返した。
きれいに書きます。 汚い字で書きません。家に帰ったら宿題はすぐにやりますだとか ついた嘘は数えきれない。
僕にとって決定的な事があったのが8歳の頃 同居していた父方の祖父が死んだことだ。今思い返せばこれがきっかけで父は人が変わっていったのだ。
肉親が他界し、家族を養い僕にはわからない重圧があったのだろうと思う。
僕には恨んでいる人間が父、母の他にもう一人 母方の親戚夫婦がいる。正直 こいつらさえいなければ と何度もおもった。
小学3年生になり祖父が他界した。
同時期、当時母に連れられて散髪にいっていた床屋が母方の親戚が営む床屋であった。母はよく僕の事を どうしようもない 言うことを聞かない 口癖のように 「本当にゆうこつきかんもん!」 っと言っていた。それを聞いた床屋の主人はありがたい事にしつけ方を母にご教授してくれたのだ。
床屋の主人いわく うちの娘は三時間正座させたらすごくよくなった と。あれが本当によくきくと。
このありがたい方法を母は早速父に伝え、これにより組み込まれた日々野家での教育方は3時間の正座後尻叩きという流れが完成したのである。
祖父の死後、父は変わった。父より上位の存在がいなくなったことにより止める者はいなくなり、ここで初めて祖父が死んだことを恨むようになった。
力関係で表すと 父>祖母>母>陽太>妹>妹
父を裏切る僕が悪いのだが裏切る以外でどんな事で父の怒りにふれるかわかっていなかった僕は叩かれることが嫌で仕方なく、いつしか叩かれない為の嘘を重ねた。
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