第19話幽幻の祭壇

都市の中央広場にある神殿には扉はなく、入口がぽかんと空いた穴のように広がっている

入口をくぐった先、この神殿の丁度中央部分の場所に薔薇の花の模様が画かれた大きな祭壇がボロボロの数本の柱に囲まれるように存在した、そこには幽幻の祭壇という文字が彫られている

祭壇の上から光が射し込んでいる、どうやらこの神殿の中央、祭壇の真上だけ光が入るような仕掛けが施されているようだ

「どうして祭壇部分だけに光が当たるように設計しているのでしょうか?」

「うーん、なんでだろうね?この都市の宗教的な事情かなぁ」

とはいえ、既に滅んでしまった都市の宗教観等は、最早知りようがない

「硝子の森と共に漂流して来た漂流者プレイヤー、一体どんな存在だったのでしょうね?」

「あまり語られてないからね~、この都市をたったの一人、しかも一夜で壊滅させてしまったらしいけど、その後の足取りは語られてない」

漂流者プレイヤーは往々にしてこの世界基準で凄まじい強さと強力極まる魔法道具マジックアイテムを所持している事が殆どである

過去のに起きた出来事に思いを馳せていると、突然仲間からの通信魔法テレフォンが繋がった

「仲間からの通信テレフォンです、どうやら新しい存在が漂流ながれて来たとの事ですよ」

「そう云えばもうそろそろだったからね、今度は何処に?」

その【死霊候】の問いに、ギアは満面の笑みで振り向くとこう答えた

「私達の拠点ギルドの敷地内だそうです」

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