第14話零氷渓谷

次にやって来た場所は先程の熔岩地帯マグマエリアとは真逆の寒冷地帯フロストエリアである

例の如く生命いのちを瞬く間に奪う程の極寒の冷気が立ち込める場所であるが、そもそも体温の無い吸血鬼ヴァンパイアの死者の体や冷気に強い耐性のある架空の悪魔パラファラピヌのギアには対策等必要としない

極寒の氷の世界を当たり前のように歩く

「此処を越えればもう少しで万年城[ミレニア]に着きますよ」

「成る程ね、人間じゃあ此処を越えるのはかなり厳しいからね」

そう言うと立ち止まり極寒の景色を眺める

「この地は所謂いわゆる永久凍土の地、生きとし生けるあらゆる生命いのちを拒む絶命の大地、零度の光景だよ」

【死霊候】が楽しそうに語る、人間も含めて自分達以外生存する事が出来ない非生命生存圏の上で優越感に浸りながら

「常に青空の見えぬ暗雲の空、そして生命の耐えられぬ絶死の大地、正に我々に相応しい光景ですね」

人では僅かしか持たない零氷に閉ざされた渓谷を進みながら、何者にも侵されない自分達の領域を踏みしめながら、自分達の居城に向かって歩を進める

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る