第8話番外とある教会にて

とある古びた大きな教会に祈りを捧げる一人の少女の姿があった、彼女は【聖光候】と呼ばれる吸血鬼ヴァンパイアである

彼女は吸血鬼ヴァンパイアでは珍しい信仰系の魔術(魔術を否定する神聖教会は奇跡と呼ぶが)の使い手である

彼女達吸血鬼ヴァンパイアは貴族社会であり絶対階級制度のようなものがあり、吸血鬼ヴァンパイアの階級は血の呪いレベルの高さで決まる

吸血鬼の階級は上から真祖の吸血鬼トゥルーヴァンパイア(レベル100)、吸血鬼王族ロイヤルヴァンパイア(レベル100~90)(王族全体を指しての呼称で、単体では吸血鬼王子キングヴァンパイアないしは吸血鬼王女ヴァンパイアクイーンと性別によって呼び方が変わる)、吸血鬼貴族ノーブルヴァンパイア(レベル80)の上位三階悌でレベルは大体10も離れていると圧倒的な実力差がある

吸血鬼ヴァンパイア(通称で死徒とも呼ばれ、レベル70~60)、上級吸血騎士リッチーヴァンパイアナイト(レベル35~40)、下級吸血騎士レッサーヴァンパイアナイト(レベル20~30)の中位三階悌の中で下級から上級の吸血騎士ヴァンパイアナイトは吸血鬼に使える下僕扱いで正式な吸血鬼ヴァンパイアではない

下級吸血鬼レッサーヴァンパイア(レベル9~12)、屍食鬼グール(レベル5~6)、不死者ノスフェラトゥー(レベル1~5)の下位三階悌で下級吸血鬼レッサーヴァンパイアとその下の階悌は吸血鬼とは認められない下僕的扱いである

彼女のレベルは30程で下級騎士階悌レッサーナイトクラス程度であるが、彼女自身は吸血鬼貴族ノーブルヴァンパイア(本来レベル80)の階級に名を連ねる

その理由は彼女が吸血鬼の身でありながら吸血種含む不死種族アンデットに強い信仰系の魔術を身に付けていると云う事ともう一つの大きな理由ワケがある

それは彼女の持つ固有技能スキルである、闇の種族が信仰系特化の魔術師キャスターになる事で成れる特殊職種クラス、その上に曇り呪われた血スカーレットモザイクと呼ばれる他種族(多くの場合力や永遠の寿命を求める人間だが)を吸血種ヴァンパイアに変える注射器型の特殊な魔道具マジックアイテムを投与して変化した中の突然変異体だからである

それによってレベル80相当の光属性の巨大な熾天の巨像セラフィクゴーレムを使役する事が可能なのである

吸血鬼ヴァンパイアや魔族の格式の中にどれ程強力なNPCを使役出来るかと云う項目がある

彼女自身のレベルが30程度でも、自身より上の80レベルのNPCを使役出来る時点でレベル80の階級クラスと見なされるのである

そんな彼女は吸血鬼アンデットと云う神の摂理輪廻転生に背く種族でありながら神の奇跡信仰系魔術を行使出来るのは理由がある

それこそが涜信における神の証明である、吸血種神の主権を犯す者になる事で逆説的に神の存在を証明すると云う裏技である(神を信じていなければ神を冒涜する事は出来ず、よって神を信じるから涜信を犯す、つまり信仰心があり神の存在を信じる故に信仰も涜信も犯せると云うある種の信仰になる)

そんな彼女は涜信を積み重ねながら神に祈りを捧げる、その後方には眩い光を放つ熾天の巨像セラフィクゴーレムの姿があった

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