第9話巨像遭遇

沼地を抜けて進むと今度は鬱蒼とした蒼暗い森の奥に入った、そこには大きなやしろと真っ青な鳥居が立っている

「神聖な気配を感じる場所ですね」

ギアは架空の悪魔パラファラピヌの本能として、この場所に教会のような聖なる力を感じていた

「神社は初めて?本来は東の島国に建てられているんだけど、こんな大陸の西方にもあるんだね」

「神社とは?」

「東方の島国で云うところの神族を祀る場所、こっちで云うところの教会のような場所だよ」

話しをしていると突然地響きがした、巨大な何かがこちらに近いて来る

「アレは・・・巨像ゴーレムですか?」

「その通り、此処を主がいなくなった後も護り続けているんだよ」

それは球状の鉱物に手足が生えて直立歩行する巨像ゴーレムであった、丸い巨体の上にツノが斜めに生えた頭部にゴーグル状の目があり、両肩から三本の鋭い棘スパイクが着いている

目算で恐らくは40レベルだろうか?自分達のレベルは100なので簡単に倒せる相手ではあるが、既に出来上がった芸術を破壊するのは躊躇われた

「せっかくの作品ゴーレムですし、このままそっとして置きましょうか」

「それもそうだね」

どの道40レベルの巨像ゴーレム等、この世界の者達で倒せる者は少ないだろう

この世界の大英雄でも精々35レベルぐらいか、逸脱者でも相性次第でこの巨体はかなり不利だろう

超越者か自分達のような高レベルのNPCや漂流者プレイヤー関連で無ければまず同レベルでも種族や体格から来る身体能力パラメーターの差で敗北は必至だろう

「しかしこれだけの巨像ゴーレムを誰が製作したのでしょう?」

巨像製作職ゴーレムクラフターのチカって吸血鬼ヴァンパイアだよ!【巨像候】って呼ばれてる」

「それはそれは、近くに住んでいるのですか?」

「うん、この先に彼女の工房があるよ、案内してあげる」

「ありがとうございます、どんな方か楽しみですね」

ギアと【死霊候】の二人は、この先にある【巨像候】の巨像ゴーレム工房に向かった

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