第6話愚か者の塔

洞窟を抜けた先にあったのは蒼い光景、前方には巨大な蒼い塔が立っており、辺り一帯は碧鉄サファイアアイアンで出来たフロアが広がっていた

塔の真ん中には大きな穴が向こう側まで繋がっている

「一体誰がなんの為にこんなところにこんな大きな塔を建てたのかな?」

「遥か昔からありますからね、漂流者プレイヤーの遺物か、それとも別の何かなのか・・・」

この碧色の巨塔は愚か者の塔と呼ばれている、もうその由来は遠い時の彼方に忘れ去られているが名前から何かを戒める為に建てられたモノではないかと思われている

青銅ブロンズじゃなくて碧鉄サファイアアイアンみたいな希少な鉱石レアメタルで出来ているみたいだね?」

「それもかなりの建築技術で造られているみたいですね」

青銅ブロンズと違い碧鉄サファイアアイアンは非常に希少な上に加工が難しく余程の技量が無ければこれ程に立派な塔を建設する事は不可能である

塔に当たった光が碧く反射して周りの景色を尚碧く染める、まるでこの辺り一帯だけ碧色サファイアいろに染まって宝石の中にいるような錯覚さえ抱かせる

塔の中央に空いた巨大な穴を通り、その先へと進む、別に其処を通る必要など無いのだが、この美しい塔を建てた先人の思いを汲んでその場所を通った

「美しい建造物でしたね」

「世界は広いし幻想は深いからね」

二人は塔を後にして新たな風景を模索するべく幻想の中を深く進んで行く

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