第5話深き暗闇の洞窟
「この洞窟の先が渓谷の出口に繋がっているハズだよ」
「それもまた一興ですね」
当ての無い放浪の旅である、気の向く間々に進んで行き着いたのならば其処を進むのもまた何かの縁である
幸い
「此処は
【死霊候】の語るところによるとこの洞窟に住むモノは最長五メートルのものが存在し、この洞窟の主となっていると云う
「それは面白そうですね、早速その洞窟の主とやらを拝みに行きましょうか?」
しかしギアは恐れる素振りも見せず洞窟の中に踏み込んで行く、この洞窟の事をある程度知っている【死霊候】が先に立って先導する
洞窟の中に入ると奇妙な光景が飛び込んでくる、真っ白い絹布のような物が洞窟のあちらこちらに架かっている
「これは、蜘蛛の糸ですね?」
近くで観察すると少し粘り気があり、此処に住む蜘蛛の
周りを見渡すと灰色の胴体を持つ巨大な蜘蛛の
しかし襲って来る気配はない、野生の観察力で、こちらが遥かに
「野生の生物は本能的に格上が分かるって言うからね~」
「目の前の主もそうですか?」
目の前に現れたのは周りの
(聞いてたより大きいですね、五メートルどころか十メートルはありますかね?)
ギアが臨戦態勢に入った瞬間、
「行動阻害への耐性ですよ」
事もなげに言い放つ、野生生物は自分が負傷する戦いは挑まない、負傷は自然界で生きる上で大きなハンデになる
結局大蜘蛛はそれ以上何もせずギア達を通した、野生で生きる上で必要なのは、無闇に格上に挑んで負傷を追わない事である
「なんだか拍子抜けだったねぇ?」
「そんな事はないですよ、野生の生物として正しい判断です」
まるで初めから分かっていた事のように呟く、無論全ての
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