登場人物・用語・世界観 NO.3
【用語解説】
①[101前線基地]
第五空白地帯とその外に広がる荒野との狭間に存在する第六複合体の前線基地。通称、アラモ砦。10平方キロメートルに及ぶ一大拠点であり、元々は第六複合体傘下の子会社が所有していた化学工場がその前身となっている。周囲はコンテナを幾重にも溶接した高さ30m超の壁に覆われ、対NAW用の兵器が満載された櫓が幾つも聳えている。
②[機動部隊]
101前線基地に在中する実働部隊は須く如是、呼称される。その組織構造と役割分担はかなり粗雑なもので、洗練されているとは言い難い。軍隊式の序列は一応設定されているもののコーザ=アストラのそれと比べると烏合の集と評して差し支えないだろう。中央から派遣されたスペンサー少佐がそのカリスマだけで実権を握りつつあったことを考えると、それ以下かもしれない。
②[兵站部]
101前線基地に在中するバックアップ及び整備要員は一纏めにそう呼称される。彼らの多くは第六複合体本営にて、それぞれの部門で生産活動に従事していた者達で、プロフェッショナルである。勿論、軍事以外の。
その組織形態は明らかに機動部隊より整然としており、その原因は彼等が以前まで所属していた部門の組織形態をそのまま引き継ぐことに成功した為である。
とはいえ、軍規に対する帰属意識は若干、目劣りしている。主な逸脱行為は賭博と密造酒の生産である。
③[Dr.クラック]
第六複合体の食糧生産部門が開発した炭酸入り清涼飲料水。桃色の人工着色料と甘味料を飽和寸前まで多分に含有したサイダー。正常な味覚を持ってすれば、唾棄すべき存在なのは間違いない。だが、砂糖というのは人類を魅了してやまない存在。第六複合体内でもかなりの数の愛好家を生み出している。
④[貪喜工業製KJ9処理用通俗機]
崩壊前のベストセラーセクサロイド。そのカスタム性と優秀なプログラム機構は、夜の友としてだけでなく、育児家事全般、諸々の単純作業において人並み以上のパフォーマンスを発揮する。
崩壊前の通俗雑誌では『生身よりKJ9』などという特集が組まれた程である。
101前線基地の食堂にて当アンドロイドが給仕職として配備されているのは、兵站部の何者かが運び込み、配備してもらうよう手を回したためであるとされている。
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【登場人物】
①[ウィリアム・ブレイク] 性別:男 年齢:53歳 身長:189cm
101前線基地の司令官。階級は大佐。時代錯誤の野戦服に身を包んだ彼は、山羊髭を生やした中年男である。頬には痛々しいぬい傷が走り、丁度、微笑んでいるように見えなくもない。その階級章以外は佐官というより、叩き上げの曹長といった風体だ。
その堕落した風体とは裏腹に、実直かつ合理的な性格をしている。スペンサーを厄介に感じているが、一方で、彼女の中世風の英雄的振る舞いに幾らかの希望を抱いていることも自覚している。本人曰く、前者は指揮官としての思考であり、後者は一兵士としての嗜好であるらしい。
②[チェス・ウェブスター] 性別:女 年齢:29歳 身長:168cm
101前線基地の副司令官。階級は中尉。刈り上げ、更に整髪料で後ろ手に撫で付けた黒の短髪。合金製の古風な丸眼鏡。金色の細縁、薄手のグラス、その向こうには翡翠色の瞳。浅黒い肌に黒の制服があいまり、エキゾチックな魅力がある。その右腕は無骨な機械義肢。鈍く光るそのパーツの一つ一つが宝飾品か勲章かのように、彼女の存在を引き立てている。
訓練生時代からのスペンサーの同期であり、彼女に対し、並々ならぬコンプレックスを抱えている。彼女の優秀さは常にスペンサーの陰に隠れてきたのだから、無理もない話だ。
③[キング・ダルマダ] 性別:男 年齢:16歳
101前線基地の整備兵。階級は二等兵。年若い少年で、髭の一本も生えていない。物腰は柔らかで、小麦色の肌と黒目がちな目が特徴的だ。首には常に溶接ゴーグルが掛けている。その手のひらには、消えることのない火傷や油のシミが付いている。
性格はピース同様に捻くれており、真っ当な勝負事を嫌う。兵站部で流行っている賭博では、八百長の事前情報を掴んだ時や固い勝負の場合にのみ参加する。但し、ピースの参加した件の決闘では少しばかし事情が異なるようだ。
④[ジョックス・ポルト] 性別:男 年齢:32歳
101前線基地の機動部隊。階級は曹長。見上げる様な巨躯のNAW乗り。特注品の空挺仕様M90を駆る。射撃技術はかなりお粗末だが、格闘戦に限っては異次元である。格闘技を幼少期から習っており、嘘か真かその体幹の操作技術が活かされているのだという。
彼の価値観は崩壊前より遥か昔の古代から引っ張ってきた様な代物であり、その物差しは常に闘争に準拠している。
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