第4話兵士の訓練がどんどん酷くなってくる、

「魔法には、ランクというのがあるのですか?」

「ランク持ちを知っているのかね。これは神話とか伝説とかに出てくる国家級の極秘事項じゃよ。

異世界の神様から与えられた魔法はランクが付いているらしい。何でも同じLV=1でも、ランクを上げると天と地ほどの威力差があるらしい。

例えば、火魔法のLV=1ファイアはロウソクの火程度だが、もしそれにランクがあれば、ランクを上げると火の威力が強くなり、ドラゴンを倒す程になるとの事だ。だが、私は見たことが無い。」

納得した自分がいた。確かに時空神ナターシャ様から時空魔法は貰ったからだ。

これはいいことを聞いた。これは自分の武器になると思う。”能ある鷹は爪を隠す“と言うので誰にも見せずに隠れて、訓練する事を決めた。

その日の訓練終了後に、夕食後からは自由時間となる。食事中側にいた同じ訓練兵の元冒険者経験者から冒険者の情報を聞いた。

話では冒険者は金にはなるが、知識と経験、技術、度胸、力があれば、大金持ちになり悠々自適に暮らせるが、命掛けの職業との事だ。彼の話す冒険者に興味が出てきた。

但し、冒険者の大半は命を落とすから、冒険者を辞めて、自分は力不足を感じて命が惜しいから兵士を志願したとの事だ。

彼を鑑定でステータスを見てみると、自分のフェイクのステータスよりも、若干良くスキルは剣術LV=1、盾術LV=1、火魔法LV=1とある為、彼以上のスキルを取ることを目標にする。

と言うのも、逆に新兵の中にはここで、ある程度のスキルを身に着けて金になる冒険者になると、将来を決めている人も何名かいたのだ。

それに自分も共感しお城を出た後は冒険者になって、色んな所へ旅して周り、美味しいものを食べて回ろうと思う。

冒険者に興味が湧いてきたので、自由時間に図書館で冒険者の事を調べると仕事、魔物討伐証明部位、各魔物素材の部位、魔石に関する事、依頼や指名依頼、契約、禁止事項、情報収集、レベル上げ、各都市には必ずといっていい程冒険者ギルドがあり、冒険者ギルドに登録をしてプレートを貰うと身分証明にもなり、各国を自由に移動することができるとある。これは、便利な仕事として申し分無しで自分が欲している仕事である。

よって、城を出てからの仕事を冒険者に決め、異世界を旅して周り珍しい食べ物や観光をし終えた頃にはクラスの勇者達が異世界を救い、地球に帰る時に自分もその時に一緒に帰ればいいやと楽観視していたのである。

訓練から20日もすると、午前中の走り込みに付いていける様になり、体型がデブから少しホッソリしていた。

そんな時、図書館に行った時に藤波マナミがいた。彼女は運動や争い事が苦手な筈だから心配していたので、日本語で話しかける。

「やぁ、久し振り騎士団の訓練はどうなの。ついて行けてるの。頑張っているかい。」

「????、ヒロト君なの痩せているから最初気づかなかったわ。あの後トイレから戻って来たらヒロト君、兵士の訓練に参加したとか聞いていたから兵士の訓練に付いていけるか心配だったの。

私達はあの後、戦う事が出来ない人はどうすればいいのか聞いた所、医療班に回ることになって特に白魔法の特訓をしているところなの。

最近は白魔法LVが2まで上がり、怪我を治すヒールや毒を消すキュア、浄化のディスペルを覚える事ができたわ。」

藤波マナミも頑張っている様で安心した。

「良かったら、その白魔法を俺に教えて欲しいんだけどダメかな?」

「勿論OKよ、でも聖白神ルンバ様の加護が無く、白魔法を持ってないと聞いているから、大分時間が掛かるかも知れないけど、諦めずに頑張ってよ。」

「ああ、異世界で生きていく為に必要だからね頑張るよ。夕食後に毎回ここに来ているから、その時に教えてもらえるかい。情報交換もしたいしね。」

「分かったわ。互いの情報交換は大事だしね、」

クラス皆の話を聞くと、ワルの4人組は訓練は飽きたから魔物退治に行かせろと騒いでいるらしい。

他のクラスの人は未だ訓練に追い付いて行けない人も居るらしい。良かった俺だけじゃ無いのを聞かされて少しホッとする。

次の日の午前中の訓練が装備を持っての走り込みになっていた。最初は盾と剣を持って走り込み、暫くすると次に皮鎧と30Kgの背負い袋を持っての走り込みに変わっていった。

まだ、武器を使った訓練はしてない。

魔法の方はやっと、魔法の事が分かり魔力を練ることが出来、覚えるのに大分掛かると言われた魔法の火魔法を3日目で打てるようになったのであった。

火魔法を初めて使えた時、LV=1ファイアを詠唱して放った所、他の人はロウソクの火程度なのに、自分のは野球ボール位になり、破壊力も凄かったので、皆から「ファイアでなく、ファイアボールだ」

「それ以上の威力じゃないか」と驚かれてしまった為、目立つのはまずいと思い固有スキルの魔力操作を使い魔力を最小設定にしておいた。

すると、ファイアはロウソクの火程度の魔法になったのだった。

魔法はコツさえ掴めば、水魔法、土魔法、風魔法も難なく覚えたのであった。

それが楽しくて魔力切れになる迄、夜遅くまで訓練し、意識を失って目覚めた後はMPが全回復しており、MPが若干上がっていたのである。

それも嬉しくて、何度も気絶する迄魔法の訓練をしたのである。

夕食後の藤波マナミとの白魔法の訓練では、その日に白魔法のLV2までのヒールやキュア、ディスペルまで簡単に魔法を放てたので、マナミちゃんが驚いて

「聖白神ルンバ様の加護を持ってない、スキルに白魔法を持ってないヒロト君が何故、私達より早く覚えるのよ。おかしくない?。これでも覚えるのにとても苦労したのよ。」

本当は持っているが、ステータスフェイクで隠しているだけである。これが皆の耳に入ったら不味いので、両手を顔の前で合わせてお願いする。

「マナミちゃん、お願いこのことは、皆には黙っていてほしい。お願いします。」

「まぁ、あのワルの4人組にバレたらこの異世界でもヒロト君が狙われるから、黙っていてあげるわ」

「助かります。有難う。」

「それと、ワルの4人組からの提案で”魔物と戦わなければLV上げが遅れるから、明日から北の廃鉱山だった所に魔物が住み着いているから、討伐に全員で向かうぞ“と言う事になったから、当分は図書館には来れないと思うから。」

ワルの4人組は自分の事しか考えていないから、他の人が怪我しようが、お構い無しなんだろうなと思いクラスの皆に同情する。

自分の白魔法がLV=2まで上がっていたが、ステータスフェイクで隠してある為、表示はされないのであった。

魔法が面白くなってきたので、MP値を上げるため何時ものように兵舎のベットの中で魔法を放ちMPを空にするべく、土魔法のLV=1ロックバレットを外に向けて放った所に伝達用の魔法の電車鳩がいて、倒してしまい、メッチャ怒られてしまった。

仕方ないので、攻撃魔法ではない自分の隠れ武器の時空魔法の訓練も始める事にする。

時空魔法はLV=0だが、時空神ルンバ様の加護が影響しているのか、詠唱も杖も必要無く使え、LV=1の転送では、手に持った木のコップを洗い場まで飛ばそうとして、“転送”と唱えるだけで物が消えるのだったが洗い場までは、50mの距離が有るのだが転送したのは5mだけであった。

時空魔法の訓練に使う為に小石を沢山用意して番号を振って転送魔法の訓練を本格的に始めたのであった。外の訓練場の塀まで(約300m)何度も何度も転送魔法を放っているうちに時空魔法の転送がLV=1になり、ランクが1から2に上がり距離が5mから100mに距離を伸ばしたのであった。


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