小6編 姉VS修羅場 ※これは用意周到な物語です。
鉛筆をくるくるとまわしながら、目の前に平げられたノートを見る。
そこには、文字、文字、文字!
それは、私が書いていた、ファンタジー小説の下書きノートだった。
小学校では、クラス内のクラブがあり、総合の時間などにクラブ活動を行っていたのです。
そこで私が建設したのは、『執筆クラブ』
このときから好きでしたよ、物語は。
目の前に広がっているのは、そこで書いていた小説の、ノートです。
アイデアが出なくなって、はあっというため息とともに、鉛筆を転がす。
「早くしないと、間に合わないじゃーん!」
間に合わない。
何に間に合わないのか、それは……。
一話目を読んでいる人は分かっただろう。このとき私が何に間に合わないのかを。
……もうおわかりですね??
それは、あと3日後の、誕生日でした。
―――—
自分の小説を書いて、それを誕プレにしよう、そう思ったのは誕生日1週間前。
――ほんっとに決まらない。
去年の誕生日、私は妹からの絵をもらいました。
実際本当に嬉しかった。
ただ私は覚えているのです。
あの、真夜中の視線を……!!
(このことを知らない人は、妹の奮闘記にレッツゴー!)
もしかすると、今年も絵だろうか。
ありうる。
私は妹があまりアイデアを思いつかず、めんどくさがり屋なことを知っていた。
そして、「ま、いっか」で完結させる人だということも……!!
双子でよかった、そう思った瞬間だった。
だから今年も、絵でくるだろう。
それなら私は……。
目の前の小説を見て、口角が上がった。
――これで、
その日、そう決めてからと言うもの、私は妹の前でも堂々と書いていた。
ただ気を付けないといけないのは、見られることのみ。
近くに寄ってきたら、ノートを閉じればいいのですから、何も問題はありませんでした。
週2で総合の授業があったので、誕生日までにも2回ありました。
なので、そこでもがっつり進めることができたし、妹の前でも、妹のように真夜中の闘いをしてまでやることはありません。
健康にも配慮された、素晴らしい作戦。
何やってるの?と聞かれたときの対処法もありました。
それは。
「総合で発表することになってるから、急がないといけなくて」
ふふん、我ながら素晴らしい作戦です。
――よおっし、今年もばれずに、行くぞー!
そう決意したのはよかったのですが、進まないのも事実でした。
そうして何とか書き上げ、自学ノート2冊分の小説が完成。
さらには絵を描くとヤバいことになる私が、挿絵を2ヵ所ほど書いて完成させました。
準備は万端、あとは見せるだけ。
そして見事、ばれずに当日ではなく、前日に見せました。
よって、勝利!
え、面白くない?妹の方が面白い?
そんなこと言わずに。
まだなのです。
その分の敗北は、そのうちやってきます。
――――
蛇足ですが、この小説、ばりばりのファンタジーで、魔法バトルモリモリの小説だったんです。
結構好きな物語でしたが、今は埋もれて書き上げることなく沈んでいます。
いつか、もう一度書き上げることができればいいんだけどな……。
タイトルは、ドラゴンスター。
サブタイは、新しい時代の始まりは――でした。
小6の自分、頑張ったと思います。
そして総合の時間には、その短編を書きあげました。
同級生には好評で、とっても嬉しかったのを覚えています。
っと、ここまで順調の誕生日でしたが……。
中1、かなりの波乱が起きました。
それが何かは言いません。
それは、次回をお楽しみに~!
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