第74話 祭り
何日ぶりの更新。文が我ながら納得いかないですね…情景伝わるとイイナ…(´・ω・`)by作者
(何気に学園の名前が初めて出てくるぞ…!)←誰か
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廊下には僅かながらに生徒が歩いている。
皆誰かしらと楽しげに会話をしていた。
体育祭が終わり着替え終わってからというもの、オレは大国先輩を探していた。
主に借りたサングラスを返すために。
だがしかし全く見つかる気配が無い。
探す内に今返しても荷物になるかなとふと思った。
完全に気分。
会えたらその時返せばいいか。
下駄箱に向かい靴を履き替えた。
更衣室で着替え終わるなり赤史を置いて出てきたので、後々何か言われるだろうが別にいい。その掛け合いもなんとなく楽しいと思えるようになったのだ。性格悪いと思われるかもしれないが、言われなければ構わない。…いや言われたら少しヘコむかもしれない。
下駄箱を出て直ぐに左へと曲がる。
生徒はちらほらと前に歩いているのが見え、長い目で見れば列を成しているようにも見えた。皆向かう先は一緒。迷妖の森だろう。
オレは歩いている最中でドロン‥と煙を立てて
妖怪の血の方が濃いオレからすると、人間の姿でいる方が妖力を常時微量ながらも消費するのだ。まぁ大量に妖力を保持しているオレからすれば塵と等しいぐらいに少量でなんという事は無い。
余裕だ。
何故変化を解いたり変化したりするときに煙が立つのかはオレにも分からない。生まれてこのかたこの疑問に答えてくれるものは居なかった。まぁ合う度に質問してもオレが疲れるだけなので、その内その疑問も霧のように忘れるようになった。
ただ今のようにふと思い出すのである。
それで疑問を再び持ったというわけだ。
この妖怪の姿だが、普通の人間には視る事が出来ない。ただ単にそういうものだという認識でいてくれればいい。
体育祭の障害物競争の時に知り合った後輩(?)君は所謂視える人なのだと思う。でなければこの学園に入ることも出来ないだろうし。後輩(?)君が果たして元から視える人だったのか妖怪に憑かれて視えるようになったかはオレの知るところではない。
妖怪の血が混じっていると、例え微量でも持っているならばどういう原理か視る事が出来る。…らしい。姉情報である。
しかし妖怪の血を持っていないにも関わらず視る事が出来る者も居る。
それが祓う者。
陰陽師とでも言おうか。
後輩(?)君は例外だ。詳しくは知らないが。
オレ自身陰陽師という者に会ったことは無いのでそもそも本当に実在するのかさえ知らない。
今の時代、妖怪の末裔の存在が人間の世界で広まりつつあるのが現状で、人間からすれば姿の見えない存在と、自分の同族から生まれた得体の知れない存在という認識だ。
…と、少なくともオレは思っている。
人間が世界での常識だと言うならば、オレたち妖怪の末裔の存在は非常識で異端。得体の知れない存在が、身近にいるかもしれないという恐怖、または興味を人間に持たせている。
まぁ恐怖を抱くか、興味を抱くかなど人それぞれなのは人間も妖怪もさして変わらないだろう。
オレも中学時代にクラスメイトのほとんどが人間だっただけで特別な関係、例えば友達や親友などは出来なかった。
そんな暇は無かったというのもある。
それにごくたまに何の興味も持たない人間も居るというし。
それこそ妖怪達よりも希少で珍しいだろう。きっとそんな人間を好奇の目で見るのは人間だけじゃ無い。
…ってオレは何の話をしていたんだか。
なんだか赤史の言うシリアス展開という空気になりつつある気がするので切り替えるとしよう。
前を歩く生徒達の中にはオレと同じように着物…というか浴衣を着ている生徒も居る。オレは着物なので少し違うが特に気にすることでもない些事なこと。
そうして歩いているうちに暖かい色をした灯りが見えてきた。
この学園――
実際に行ったことは無いので人づてに聞いた事だが確かだ。
姉情報だし(姉に対する謎の信頼)。
そしてこの山の山頂部分に立派な神社が建っているのだ。
オレも去年に数回見たきりで、もう何ヶ月も前のことだが。今でも異界の世界観を思わせるあの外観は忘れることはない。
なんだか天国にも地獄にも繋がりそうな扉がついていたのを覚えている。
珍しくオレも写真を撮りたくなったが、残念なことにあそこでは撮ってはダメらしく、あえなく撮れずに祭りは終わった。
良くも悪くも不可思議な力が宿っていそうな建物だと思った。
その神社はそれぞれの校舎(小中高)に繋がっており、日にちをずらして初等部の校舎から順に時計回りに祭りが行われる。なので他の校舎の生徒に出くわすことはない。
実際数日前に初等部の校舎の祭りから始まり、続けて中等部、女子校、男子校という順番で、此処が最後となる。
なんだか意味深な祭りの進み方だが不思議なことにこの祭りに関しての噂は少なく、せいぜい”あるもの”を捧げると良いことが起こるという噂があるぐらいだ。
その”あるもの”も何かは不明だ。
ともかくそんな噂がある。
あの
まぁ生粋の妖怪は居ないも同然なのだが。
森には居ると思うのだが、オレは見たことがない。
からん‥と乾いた音が鳴る。
下駄を履いているので自然と石畳の道になると音が鳴った。
石畳の道沿いには様々な屋台が立ち並び暗い森の中を照らし。屋台の店主たちは皆何かしらの仮面を付け素顔が見えず、素性が分からなかった。だがそれが妖しさを醸し出し、気分を高揚させる。
普通に街中にいたら不審者であるが、この時ばかりは世界観があっており、まるで異世界に来た気分だった。
祭りがもう直ぐ始まる。
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