第61話 体育祭 17 昼休憩
昼休憩となり皆各々行動し始める。
今日も食堂は開いているが、ほとんどの生徒は校庭でスタンバイしていた購買の方で買っている。
どこで食べでもいいので今日は購買が大人気である。
かくいうオレはというと、親衛隊達が用意した重箱を囲みピクニックのような感じになっていた。
ご丁寧にパラソルも建ててくれて至れり尽くせりだ。
弁当は全て手作りらしい。
これを作った生徒は将来はきっと立派なお婿さんだろう。
めちゃくちゃ美味しいし。
…それを言ったら泣かれたけど。←嬉し涙
ほとんどの生徒が食堂ではなく購買を選ぶのは、他にも理由がある。
理由は、単純に時間が無いからだ。
食堂まで行くのにもかなりの時間を消費するというのにわざわざ行って時間を消費して慌てて食べるよりも余裕を持って食べることを皆選んでいる。
オレはその場の流れで此処にいるが。
重箱には色んな食べ物が入っており食べる人を飽きさせない。
お稲荷さんや寿司も入っている。
素直に凄い。
オレはお稲荷さんを特に気に入ってほぼ食べてしまった。
わびとして自分はかき氷を提供した。…したら泣いて喜ばれシロップをかけて食べていた。
暑いからちょうどいいらしい。
白組からは羨望の目で見られて鬱陶しかったがシロップが(何の味かは知らないが)とても美味しかったから気にならなかった。
…そういえば。
「この戦い、負けたらどうなるの?」
「ん? あーそれなー、だいぶ曖昧というかなんというか…」
隣でかき氷を白米のように掻き込む葬に質問する。
「明言はされてねぇけど…白組が負けたら親衛隊は好きに動くし。紅組が負けたら、もう何も文句は言わない…みたいな感じだな」
「なるほど…」
恐らく白組が負け紅組が勝てば親衛隊は前に比べて堂々と動き出すのかもしれない。転校生一行に対して。
逆に紅組が負け白組が勝てばこちらは何も突っかかる事が出来ずに文句も言えず、不満をため込みながらも沈黙するしかなくなると…。
コレは…案外一番苛立つのは風紀かもしれないな。
どちらにしろ問題は引き続き起こりそうだし、いつか風紀の暴動とか起きたり…は、しないか。生真面目な人多いし。
多分皆はもっと風紀委員に感謝したほうがいいと思う。
じゃなきゃ報われない。
この世は真面目な人ほど損をするって言うけど本当にそうかもしれない。
お稲荷さんを食べ尽くしかき氷用のシロップを掛けて食べる。
本当に何の味か分からないな…。苦くはない。甘い方だ。多分フルーツ系のシロップだろう。多分。
美味いから何も言わずにパクパク食べる。
氷自体が自分で作り出せるので無限に食べれるということに気づいた。
オレの場合冷たいモノを食べるより暑い食べ物を食べると腹を壊しやすい傾向にあるという事が判明しているので、かき氷を食べるのは特に問題は無い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます