第15話、そうして運命は・・・
俺は河を泳いで上流から下流に流れて何とか逃げ延びた。あのまま普通に逃げていたならきっと追いつかれてしまうと感じて河を選んで正解だったなと俺ながら感心をしていた。
そこからは大きな街に逃げ込んで俺は一息をついた、お金は幸いな事に馬車から少しばかり持ち出していたので宿代は何とかなりそこで一息をついてから考えていた。
この世界はもう助けようもないと言うか親友が二人も敵になってしまえば俺一人ではどうしようもないぐらいに劣勢と言える。
だからこそ俺はこの世界から逃げ出して元の世界に帰ることが一番の助かる道だと考えた俺はひとまずは体を休めてから近いうちに調べようとした。まずはここで資金を集めてから色々と支度をして行動をしようと考えたのである。
しかし、運命は待ってくれなかった。その日の夜にサキュバスの群れやモンスターたちが一気に街を襲い始めたのであった。
そうして俺はまたしても逃げようとしたけどそれを見据えて親友の二人が先回りをされており俺は捕獲をされてしまったのだ。
すぐに泣きながら命乞いをした、俺たちは親友だよなと必死になって助けを求めた。
「頼むよ、長年の幼馴染として今回だけは見過ごしてほしい。お願いだ、俺はお前たちとあれだけ長くも付き合ったのだから」
「そんなに長年付き合っていた親友たちを先に見捨てたのはどちらだったかな?雅也・・・今のあなたの表情はとても・・・襲いたい顔をしているわ、私達と同じようにさせたいぐらいに」
「何が欲しい?お金か権力か俺は絶対に用意をするから解放してくれ。俺はこんな時は絶対に嘘をつかないのは知っているだろ」
「でも今の私達は欲しいものは殆ど手に入ってしまったの。それでね、欲しいものはこれしかなくてお願い出来るかしら」
「はい、俺ができる事ならば全力で取り組むことを約束致しますので宜しくお願いします」
そう言うと二人はならあなたが欲しいと言われてしまった。俺は流石に無理でございますと答えを返しても聞いてくれる様子はなかった。
そうして俺は無駄だと理解はしても立ち上がれなくなっているのに必死に逃げ出していた。二人は笑いながら本当に可愛いと言いながら近づいてきていた。
俺はそんなことを気にせずに必死に泣きながら逃げていたけど怪我をしている上に弱り切っている俺が逃げ出すことなど出来ずに捕まってしまうのだった。
二人ともそろそろ鬼ごっこは終わりにしようと言ってどこに繋がっているのかわからないゲートみたいなものを出したのである。
どこに行くのかわからないけどあそこに入ったらもう二度とこの世界・・・いや、人として死んでしまうと理解をしてすぐに腕も足もどうなっても良いからと暴れまわったけどそんな事は向こうからすればどうでもなる事でそのまま俺はゲートの中に入れられてしまったのだった。
そうしてゲートの先には多くのサキュバスたちがまるで人間の街のように賑わっていたけど俺を見てすぐに周りのサキュバスたちが獲物を見る目でこちらを見てきたので泣きながら俺は美味しくないですよと死にそうな声で伝えた。
それでも怖い視線はずっと見ていたけどこの時に二人が遅れて現れてこの人はお姉さまにお願いをして私達と同じになってもらうつもりだからみんなごめんねと話した。
すると周りのサキュバスたちはそうなのねと少しばかり残念そうにしてから何事もなかったように過ごし始めた。
そしてそれを見てから二人はさあ、共に行きましょうと不気味な笑みを浮かべながら大きな建物の中に連れて行かれてしまうのだった。
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