第13話、撤退
俺は急いで人がいる方角に馬を走らせて逃げていた。捕まってしまえばどんな目に遭ってしまうのか分からないので必死に逃げていると目の前に騎士団の軍勢が見えてきたのである。
ここの騎士団を纏めている団長らしい者が現れてここで何をしていると言われたけどモンスターの群れに覆われているのですと必死に言うとそれは本当かと聞いているうちにサキュバスたちの群れが追撃してきたのですぐに団長らしい人は分かったから早く逃げるが良いと言われたのですぐに馬車で逃げ出した。
その後に背後から悲鳴に近い何かが聞こえてきたけど俺はそんなことを気にする暇などなくただひたすらに逃げていた。そうして無我夢中に逃げているとこの世界に最初に辿り着いた王城に来てしまった。
そしてすぐに貴様と警備していた騎士たちに包囲されてしまったけど俺は森の方からモンスターの群れがこちらに迫ってきているのだ。
こんなことをしている場合ではないだろうと俺は必死になって伝えるとでは森の中で捜索隊をしていた騎士たちには出会わなかったのかと聞かれたので俺は出会ったけど・・・と伝えているうちに肉眼で見れるほどまでにサキュバスたちがこちらまで来ていた。
ここにいたのでは駄目だと理解して乗っていた馬車から飛び降りて走り出して逃げた。すると騎士たちも俺を追うことはせずにまずはモンスターの群れの討伐をするぞと言って戦い始めたけど相手がサキュバスな以上は勝ち目などないと思いで王城でなんとかして迎え討つつもりで向かった。
そうして俺はこれまで起きた事を説明して事の重大性を伝えると騎士団長らしい人が分かったと言って俺を王城に入れてくれた上で仲間谷を救いに向かうと言って騎士団の多くが先程まで俺がいた場所に向かったのである。
確かに騎士団長は強いかもしれないけどあのサキュバスの力では無力になってしまうかもしれないと感じるとやはりここはプライドを捨てて王女に何か知恵などを教えてもらう必要があるなと考えた俺はすぐに王女に会いに向かう事にした。
そうして会おうとしている時にサキュバスの群れがついにこの王城まで辿り着いてしまったのか外では戦いの音が聞こえ始めた。
あれ程の城門が簡単に突破をされるとなるとこの王城も危ないと思ったほうが良いなと考えて王女に会うことはやめてこの場から逃げることにした。
幸いなことに西門の近くはまだサキュバスの群れが来ていないと言うか誰も他の門に援軍に向かっていたのでいなかった。
俺はそこから逃げようと飛び降りてからその門に向かった。王城のほうでは王女の助けを求める声が聞こえてきたけど俺にそんな力はないので無視をして逃げた。
卑怯でも何でも好きに呼ばれても構わない。生きていないと何も始まらないから、死にたくない一心で王城から逃げ出してどこに向かうのか分からないのに走ることしか出来なくなっていたのだった。
そうして俺は力のある限りに走り抜けていく中で俺の中には置いてきてしまった親友たちを思い出していた。
なんて卑怯な男なのであろうかと俺自身が嫌になりそうになりながらも死にたくはないと思いもあり引き返す勇気はなかった。
その時に急に女性の声が聞こえてきたのだ。
「ふ〜ん、一応は親友の事は忘れていないのか。それを理解して嬉しいよ・・・なら一緒に堕ちてほしいな」
そう言って現れたのは二人のサキュバスでどうしてここが分かったのかと聞くと二人のサキュバスは不気味に笑いながら雅也ならここに来ると思っていたからと言われてどうして俺の名前を知っているのだと聞くとサキュバスたちは答え始めた。
「まあ、こんな風になってしまったから分からなくても仕方がないわね。今はこの様にサキュバスだけどその前は・・・成富だったと言えば雅也は信じてくれるかな」
俺はなんでと恐る恐る聞いてみると元は成富だと言っているサキュバスがどうしてこうなったのか。教え始めた、それは俺たちと別れてとある罠にハマってしまった後からであるのだった。
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