第55話 猛毒ロシアンルーレット①

チームメンバー


ホムラ・アコ・母親・ユウ・モブミ・モブニキ



教祖「それでは猛毒ロシアンルーレットの説明に参ります。まず皆様の部屋のテーブルにシュークリームが6つ置いてあります。それを1人1つ食べるだけです。しかしシュークリームの中には致死性の毒が入っているものもあります。運よく生き残れた人がクリアです」




アコ「運に命を懸けるだなんて......」




教祖「それと、備え付けの固定電話から一度だけ質問ができます。はいかいいえで答えられる物に限ります」



~ルール~

①6つのシュークリームを1人1つ食べる

②その内の何個かに致死性の毒が入っている

③生きていればゲームクリア

④一度だけ "はい" か "いいえ" で答えられる質問ができる



教祖「もし1人でも食べない人がいたら連帯責任で全員ゲームオーバーとします。制限時間は6時間、それではスタートです」




説明を聞いて恐怖した者が1人、ペラープの為に死ねるなら本望と思う者が3人、そして知恵を絞る者が2人...



ホムラ(このゲーム、運では無く何かある)

ユウ(このゲーム、絶対裏がある)



そんな事を考えていると母親がシュークリームを手に取る


母親「選ばれし人間は...毒が効かない」


ホムラ「何言ってるの?」


モブニキ「知らないのか? 過去にペラープが大規模な毒ガステロを起こしたのは選ばれし人間を選別する為、我々は選ばれし人間だから生きている。なら今回も毒入りシュークリームを引く事は無い」


アホミ「そうよ、今私達が生きているのもペラープの加護のおかげ、皆ペラプープ様に感謝すべきなの」


母親「私もそれをホムラに分かってほしくて連れてきたの、もし死んじゃっても魂はペラープと永遠に生きる。だから一緒にゲームに参加しましょう」



ホムラは母親の言葉を無視した。子供を命懸けのゲームに参加させるなんてもう母親の資格は無い、毒入りを引いて死んじゃえ! と心から思った。



アコは恐怖からか汗が止まらず、飲み物を探す為に冷蔵庫を開けた



アコ「水...お菓子も入ってる」


アホミ「本当だ、チョコもあるじゃん! いただきま~す」


アコ「何でそんな余裕なの...?」


アホミ「貴方本当にペラープの信者? このゲームはペラープへの思いが強いかどうかのゲーム、仮に毒入りを引いても私は死なない」


アホミは完全にペラープを信じきってしまっている。


アホミ「何このチョコ、めっちゃ苦いんだけど! 食べなきゃ良かった」


ユウ「とりあえずもう皆でシュークリーム食べないか?」


アホミ「そうね、早いとこ済ませましょう」



ユウの一言で皆でテーブルを囲う事になった



ユウ「せーので皆で食べるぞ」



アコ「ねえ...とりあえず毒入りシュークリームの数が半分以上あるか質問してみない?」


ユウ「だめだ、それが分かっては皆で同時に食べるふりをして食べない奴が出てくる。何人死んだかで自分のシュークリームが毒入りか判断できるからな」


アコ「でも...制限時間は6時間もあるし、そんな今すぐ食べようとしなくても...」


ユウ「怖いのは分かるがいつ食べても変わらない。なら直ぐに始めてしまおう」


ホムラ「そうやって1人で生き延びるつもりね、ユウ」


ユウ「ほう、根拠は何だ?」


ホムラ「貴方だけ食べるふりをして食べず、皆が食べ終わってから自分の持ってるシュークリームは毒入りですかと質問する気ね」


ユウ「なるほど、なら今の内にどうでも良い事で質問を消費しておこう、それなら俺だけ食べるふりをしても得が無い」



毒入りシュークリームの数が分からないからこそ皆食べようと思えるが、質問を使えば場や自分のシュークリームが毒入りかどうか分かる為自分だけ助かろうという者が出てきて、結局誰かがシュークリームを食べず全員ゲームオーバーとなる。その理屈に気付いたホムラとユウは適当な質問をして質問権を消費する事にした



ユウ「俺が電話するぞ、疑わしいなら一緒に来ていいぞ」


そう言いホムラはユウに着いていく。ユウが電話を手に取ると自動音声がスピーカーで流れる



電話「ソレデハ質問ヲシテ下サイ」



ユウ「僕は学者で、一生をかけてフェルマーの定理を証明しようとしている。フェルマーの最終定理の解読は時間を掛ければ大丈夫か?」



電話「ソノ質問ハ..........ハイ......デス」



プツッ... 電話が切れた。



ユウ「面白い、機械がフェルマーの定理を解けると言ったんだ、生きて俺が証明しないとな」



その時ホムラは衝撃的な物を目にする...



(まさか...そんな!!)



ホムラは気付いた。否、ユウに教えて貰ったのだ。このゲームの攻略法を...



2人は再びテーブルに戻り1人1個シュークリームを手にする、ホムラはアコの隣に座り小声で 「食べないで」 と伝えた。アコはホムラを信じて小さく頷いた。



ユウ「じゃあ行くぞ...せーの!」



皆一斉に食べた。しかしユウ、ホムラ、アコの3人は口に入れたものの噛み砕かず皆が食べ終わるのを待った



「ぐっ....くっ...ぐぁぁ~!!!」



モブニキが倒れた...



「ぐっ!...かっ......」

「ぐぁぁ.....うっ....」



その後アホミと母親も倒れて死んだ。



アコ「嘘...3人とも毒入りを引いたって事は、私達のは普通のシュークリームって事?」


ホムラ「いいえ、恐らくこの6つのシュークリームは...全て毒入りよ!!」





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