第53話 ジュベナイル編 ~完~

「あぁ...俺達がペラープ宗教団体を潰す」


ケイはペラープ宗教団体と戦う事を決めた。勝てば33億6千万、負ければ0、しかしケイを苦しめたライバル達が全員味方になるのだ。ケイにとってこんなにも心強い事はなかった。


「分かりました。それでは一度4億2千万は回収します」


「あぁ...私のお金...負けたら絶対許さないわ」


「分かってる、負けない」


アユは泣く泣くお金を手放した。


鬼沢「それでは優勝したケイ様がペラープ宗教団体と戦う残り7名を決めて下さい」


「分かった。まずはリカだ」


「そうこなくっちゃ」


「次はアカリ」


「また一緒に戦えるわね」


「次は、ソウとリュウだ」



ガチャン...とドアが開く


ソウ「そう来ると思ったぜ」

リュウ「4億取り逃したと思ったら36億のチャンスが来るなんてな」


2人は負けたのが悔しくてずっと社長室の扉の前で聞き耳を立てていたのだ。


アユ「残りの3人はどうするの? 私とか言わないでね」


ケイ「言うわけないだろ。できれば1人はミツルを呼びたい」


ミツルとはスローダイヤでリカを追い詰め、敗者復活で4人まで残った実力の持ち主だ。


ケイの言葉を聞いた暴念は電話で部下に指示を出し、社長室にミツルを呼び寄せた


ミツル「事情は全部聞いたぜ。ケイ、俺にチャンスをくれてありがとな」


ケイ「いや、敗者復活の裏切ってしまったからな。申し訳無かったと思ってる」


ミツル「勝てなかった俺が悪いんだよ、気にすんな」


ケイ「分かった...さて、後2人だがどうするべきか」


鬼沢「もし強い人に心当たりが無いなら私から推薦しても良いかな?」


ケイ「良いですけど...どんな人ですか?」


鬼沢「フフッ..きっと驚くよ。入りたまえ」



ガチャ...扉の向こうから出てきたのは、敗者復活戦の司会を務めたヒカリだ


鬼沢「彼女は頭の回転もだが演技力がピカイチだ。必ず役にたつはずだよ」


ケイ「いや...わらしべ長者の時の演技はかなり酷かった気が...」


ヒカリ「バカね、わざとああいう演技をしたのよ、天然を演じるためにね..イタッ!」


喋りながら歩いていたヒカリは何もない所でつまずき転んだ


ミツル「おいおい、本当に大丈夫なのか?」


ヒカリ「はぁ!? あんたみたいなチャラ男よりちゃんと良い大学出てますから!」


ミツル「なんだこいつ...」


ミオ「ま...まぁこれで7人ね。最後の1人はどうするの?」


ケイ「最後の1人は...絶対に呼ばなきゃいけない人がいる」


鬼沢「それは...誰でしょうか?」



ケイ「................................」


鬼沢「なるほど、分かりました。そちらはケイ様にお任せします。ペラープ宗教団体との勝負の日程は未定ですが恐らく1~2ヶ月先になると思いますので、決まり次第連絡致します。それでは皆様、今日まで1週間お疲れ様でした」


こうしてケイ達は一度本島へと戻る事になった




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



"いっぺん、生きてみる?"



キュキュキュイ~~ン!!!!



ケイ「よっしゃ! 大当りだ!」


ケイはミツルと一緒に横浜市のパチンコ屋でCR天国少女を打っていた



"人を誉めれば得2つ..."



ケイ「7揃いだ!! 3000ボーナスからのLUSH突入!」



4パチでLUSHに突入してもケイの心はどこか冷めていた。


ミツル「3日前まで命懸けでギャンブルやってたからよ、なんかパチンコじゃ燃えねぇな」


ケイ「あの離島のホテルには10パチとかあったぞ」


ミツル「まじかよ! エパンゲリオンのLUSH入ったら1連するだけで15000円だと!?」


ケイ「まぁ...それよりもミツル当たらな過ぎないか? もう6万も溶けてるぞ?」


ミツル「まぁいいんだよ、無償で手に入った200万円だしな」


3日前に離島でデスゲームを開催したジュベナイルグループの代表"鬼沢"は、賞金4億2千万を持ち逃げしない保証金として、賞金を受けとる予定だった8名とペラープ宗教団体と戦う予定の8名にそれぞれ2百万円ずつ払ったのだ


ケイ「俺なんか4百万も貰っちゃったよ。まぁこれでジュベナイルグループと連絡取れなくなって賞金が貰えないとかだったら最悪だからな」


ミツル「保証金を渡すって事はやっぱりペラープ宗教団体と戦うって事は事実なんだな...っておい! 待ち合わせ時間過ぎてるぞ!!」


ケイ「待って!! 今LUSH中だから!!」



2人は待ち合わせ場所のカフェに行き指定した窓際の一番奥の席に座る


ミツル「まだ来て無いか...」


ケイ「なぁ、もし8対8の団体戦に勝った時の賞金の分配覚えてるか?」


ミツル「勿論だよ...夢みたいだよな。まず元々賞金を貰う予定だった8人が一億だろ。そして余った25億6千万を団体戦のメンバー8人で分配...つまり俺の賞金は3億2千万だ」


ケイ「俺はどっちも条件が当てはまってるから4億2千万だ。結果的に7日間の賞金と同じ額...でもそれを一人占めだぜ!」


ミツル「ハハッ! 勝てたらな!」



そんな話をしていると奥から帽子を被った男が入ってきてケイ達のいる席に座る



ケイ「貴方が...迫田竜玄さんですね」


迫田「そうだ。お前か? ペラープ宗教団体のトップ "宮本順三郎" の居場所を知っているとDMしてきた奴は」


ケイ「はい」


ケイは1週間の離島のデスゲームの事を全て話した。


迫田「嘘っぽい話だが最終ゲームに出てきた話は全て事実だ。ならそのデスゲームが行われていた事も事実なのだろう」


ケイ「やはり圭一を殺したのは貴方でしたか」


迫田「あぁ...殺した後スマホ内の小説を見て圭一がペラープ宗教団体と関係無い事に気付き、取り返しのつかない事をしたと思ってる。でも俺がペラープとは無関係の人間を殺したとバレたら協力者達に顔が立たないからペットボトル殺人事件とは関係無い様に偽装したよ」


ケイ「協力者とは、過去のペラープ宗教団体の被害者遺族の人達ですね?」


迫田「あぁ、俺が殺人現場に大量のペットボトルを置けたのは、数多くの協力者が一本ずつ現場にペットボトルを持ってきてくれてたからなんだ。1人で大量に持っていったら自分がペットボトル殺人鬼ですと言ってる様なものだからな」


ケイ「貴方は探偵としてペラープ宗教団体について詳しく調べていると思います。その知識を活かして今度の勝負、一緒に戦ってくれませんか? 対戦相手の情報があるか無いかでは勝率が大きく変わってきます」


迫田「勿論だ。俺もペラープ宗教団体を潰す方法を考えては挫折して、困っていた所だからな。皆でペラープを潰そう」


迫田はロック画面の妹の写真に復讐を誓った。




ケイ「よし、これでジュベナイルVSペラープの団体戦の準備は完了だ...!」




ジュベナイル編 ~完~



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



次回、ペラープ編スタート。


離島に集められた600人の信者達は1週間のデスゲームに参加させられる。果たして最後まで生き残り賞金を手にするのは誰か...




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作者のくにちゃんです。ホテルジュベナイルで行われたデスゲームは終わり、ケイを含む代表者8人が選ばれました。次回からはペラープ宗教団体の代表者8人を選ぶ為に行われたデスゲームについて書いていきます。果たしてケイ達に立ちはだかる8人は誰になるのか、ご期待ください。

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