第47話 最終決戦②
タイトル:ジュディマリを聞く少女
登場人物 暴念圭一 一ノ瀬晴奈
??? ???
??? ???
------------------
(解くにしてもこの映像だけで事件が解けるわけ無い...)
そう思いケイはスマホを取り出した。
(高校生が死んだんだ、絶対にニュースになっているはず。まずはこの事件の事をネットで検索してみよう)
検索 "花火大会 女子高生 死亡"
調べてはみたがそれと似たニュースが何件かでてくるだけでどれが晴奈の事なのか分からない。
(どこの花火大会かも知る必要がある、でも世の中に花火大会なんてごまんとあるぞ...何かヒント...ヒント...)
推理につまっているとモニターがまたジュディマリを聞く少女第1話から再生し始めた。リカがモニター横にあるリモコンを手に取り勝手に動かしたのだ。そのままリカは第4話まで飛ばしオープンキャンパスの朝圭一がLINEを送るシーンで映像を止める。そのLINEに書いてあった文字は
"おはよう! 小山駅前集合ね"
ケイ(そうだ! 小山駅前! たしか花火大会もオープンキャンパスの時と同じ場所で待ち合わせていたはず! という事は...)
検索 "小山 花火大会 女子高生 死亡"
検索結果:2016年小山花火大会におきた事件について
ケイは「これだ!」と思いページを開くがそこには晴奈とは別の事件の内容が記されていた
"2016年小山花火大会にて元力士の力八関が後頭部を殴打され死亡した事件、凶器は見つかっていないが現場にペットボトルが散乱していた事からペットボトル殺人事件として事件を調査、その後力八関以外にも現場で4人の死体が見つかりいずれも飲み物屋でペットボトルを購入している事が分かり、ペットボトルから毒が検出された事で飲み物屋の店主が一連のペットボトル殺人事件の犯人とされましたが、店主も毒を飲んで死亡していました、警察は自殺と見ています"
ペットボトル殺人事件か、懐かしいな...とケイは思う。悪人しか殺さず必ず現場にペットボトルを散乱させる殺人鬼だ。一時期ワイドショーを賑わせあまりニュースを見ないケイでも知っていた。
(力八関の死亡とペットボトル殺人事件の犯人も死んだ事が話題になり4人の一般の犠牲者がいることなんて知らなかった。でも逆に言えばこれが事件の真相...全てじゃないか?)
ケイの言う通り、飲み物屋の店主が毒を盛って晴奈が死んだ...で事件は終わりな気がする。しかしそれでは説明のつかない事が1つある
(ペットボトル殺人事件の犯人は悪人しか殺さない、なら晴奈を殺す理由がない。力八関は反社との関わり疑惑があったが、晴奈も他の一般人3人も多分犯罪者じゃないだろう、なら犯人はペットボトル殺人鬼じゃ無い...? でもペットボトルに毒が盛ってあったのは確かだ、という事は犯人は飲み物屋の店主でもペットボトル殺人鬼では無いと言う事か)
確実にこの事件には裏がある。そう感じたケイは晴奈が圭一に送ったダイイングメッセージ "FB" を思い出す
( "F" "B" ってなんだ...? 晴奈は死ぬ直前にバチが当たったと言っていたから、何か犯人に心当たりがあったんだと思う。一体何を伝えたかったんだ...)
リカが映像を第4話のLINEを送るシーンで止めていたが、ケイがリモコンを取りまた再生し始めた。30秒飛ばしで映像を確認していると圭一と晴奈がバスの中で会話をするシーンが映り、そこでケイはスキップをやめ映像を普通に再生し始めた
(このシーン、何か大切な事を言っていた気がするんだ)
そのシーンでの圭一と晴奈の会話はこうだ
------------------
「晴奈は麻雀とか打てる?」
「打てるよ!家族で昔やってた!」
「そうなんだ!じゃあアプリで打とうよ」
「いいよ、今アプリ入れるね」
圭一は晴奈の携帯を覗き込みアプリの名前を教える。晴奈のフリック入力の速さに驚く圭一に「画面見ないでも入力できるよ」とドヤ顔をする晴奈。
インストールが終わりアプリのチュートリアルを見終わると"名前を入力して下さい"と画面に表示され晴奈は"はるーん"と入力した。圭一は笑いながら「なんで"はるーん"なの?」と聞くと「色んなアプリ"はるーん"で登録してるの」と答えた。こんな些細なやり取りが圭一にとって...2人にとって幸せな時間だった。
------------------
ケイ「色んなアプリか、もし晴奈がSNSでもやっていれば何か情報......あ、これか!」
ケイはFBの意味に気づいた、しかしモニターは皆に見えているのでリカとリュウも気づく。
ケイは急いでスマホでとあるアプリを開く
ケイ(FBとはフェイスブックの略! 死にかけの晴奈は"フェイスブック"と文字を打ちきる自信がなくてFBと略して圭一に送ったんだ! そしてフェイスブックでのはるなの名前は...)
フェイスブック内検索 "はるーん"
晴奈は全てのアプリの名前をはるーんにしていた。だから簡単に晴奈のアカウントを見つけられる...訳では無かった。はるーんという名前のアカウントは思ったより沢山ある、ケイは1つ1つアカウントを確認して行くとプロフィール欄に"ペット専門学校入学予定"と書いたアカウントを見つけた
(やっと見つけた! でもこのアカウントに辿り着くまで2分程使ってしまった)
部屋のカウントダウンは残り6分を示している。それまでにケイかリカは挙手をしなければならない
(とりあえずこのアカウント...くそ! 鍵がかかってる! 非公開アカウントか)
晴奈のアカウントは晴奈が許可しかアカウントしか閲覧できないようになっていた。
(このアカウントで分かる情報は、プロフィール画像が女の子の友達と2人で写っている事だけだ。恐らく圭一のスマホならこのアカウントを閲覧できる...俺では無理、完全に手詰まり)
ケイの思考が止まったその時、
「なんで!?」
とリュウが叫ぶ。そのままソウのもとへ行きスマホを見せると「何でナナが」とソウも叫ぶ。
リュウ「暴念さんよ、ちょっとトイレ行きたいんだ、部屋出ても良いか?」
暴念「最終的にこの部屋に戻ってきて挙手して頂ければ大丈夫です」
それを聞きリュウは部屋を飛び出た
ソウ「ナナ......」
ソウとリュウは晴奈のフェイスブックのプロフィール画像を見て驚愕した。晴奈の隣に写っている女の子は2人のペアのナナだったのだ。リュウは急いでナナの部屋に向かいプリンを食べる時に貰った鍵で部屋を開ける。
リュウ「これだ...」
リュウは机でずっと充電しっぱなしだったナナのスマホを手に入れた。
「このスマホなら...ナナのアカウントなら晴奈のアカウントを閲覧できるはずだ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます