第46話 最終決戦①

ジュディマリを聞く少女 ~完~



「なんて嫌な終わり方...」


ケイは映像を見終えるとポツリと感想を呟いた



-----------------

2018年7月24日 バイト最終日


生き残り:ケイ、リカ、ソウ、リュウ



暴念「今見て頂いた映像はネットの小説投稿サイトに書かれた内容を元に作っております。そしてこの小説のジャンルは "ノンフィクション" で投稿されていました」



ケイ「実際の被害者の投稿だったのか」



暴念「この小説の作者は私の息子です」



「え!?」


その場にいた全員が驚いた。


暴念「この事件の全容、そして息子の無念を晴らして下さい。それがこの最終ゲームのルールです。しかしただ皆で事件を解くだけではゲーム性が無いので細かいルールがございます」


最終ゲーム ルール


①事件の全容が分かった者が挙手をし推理を披露する。その後暫定席に座る。


②誰かが暫定席に座ったら10分間のカウントダウンが始まる。10分以内に更に事件を明らかにできた者がいたら挙手をし推理を披露。より事件を明らかにできたと判定されたら暫定席に座れる(元々座っていた人は脱落)

その後また10分のカウントが始まる。


③もし10分以内に新たに挙手する人がいなかった場合、その時暫定席に座っている人の勝利となる



暴念「2人目以降の推理が暫定席に座っている人の推理を上回ってるかは私が判定します」



(運営側も答えを知らないとはそう言う意味だったのか...この暴念って人も事件の真相を知りたいんだ)


とケイは思った。



暴念「それでは最終ゲームスタートです」



こうしてゲームが始まった。しかしどう事件を解けば良いのか皆まるで分からなかった


ケイ(あまりにも"無"すぎる、でもここまで残った天才達ならどうにかして事件を解くんだろう。そしてこのゲームは恐らく最初に推理を披露した人が勝つ。何故なら2番目以降に推理を披露する人は、1人目が推理した内容に1つ情報を付け足すだけで暫定席に座れる、後攻なら後攻な程有利なルールだからこそ、最初に挙手し推理を披露する人は100%完璧な答えを見つけてから手を上げるはずだ)



ケイが"最初に挙手した人が勝つ"と言う予想は間違いではない、だがそれは個人戦の場合であって、ペアで残っている人物がいると......



「わかった!」


手を上げたのはソウだ。


ケイ「嘘だろ!? まだ始まって10秒も経ってないぞ!」



暴念「ソウ様、それでは事件の真実をお話下さい」



ソウ「晴奈は持病で死んじゃった、以上」


そんな訳ないだろ...とケイは心の中で思う。しかしこれがソウ・リュウペアの優勝にぐっと近づくのである


暴念「なるほど...それではソウさんは暫定席にお座り下さい。そして10分のカウントダウンを開始します」



ケイ「そうか! 10分の制限時間をつける事で俺達に考える時間を与えないつもりか!」


リュウ「フフッ、これでリカとケイは10分という短い時間で事件の真実をあぶり出さないといけない」


リカ「チェッ...」


ケイは推理の時間が欲しいためこの10分で挙手はしないつもりだ、しかしそれはリカも同じ考えだろう。こうやって2人が挙手をしなければソウの勝ちになってしまう。つまりどちらかが犠牲になりこの10分で挙手しなければならない。そして仮にどちらかが推理を披露してもそれを聞いた上でリュウは事件を推理できる、完全にソウ・リュウペアに有利な状況だ。


こうして制限時間が大幅に短くなった最終ゲームが始まった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る